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導電性接着剤の材料特性と設計・制御技術、
および接続信頼性確保の要点

金属・カーボン系フィラーの設計と界面制御、電気伝導特性発現挙動の解析
熱伝導・電気伝導・接着強度への影響因子とその解析、今後の応用展開

受講可能な形式:【Live配信】のみ 

導電性接着剤の接続特性や電気伝導の発現メカニズムを明快に解説し、材料構成、ナノフィラー活用、界面設計から信頼性評価まで、実装用途で求められる設計指針と応用事例を体系的に紹介します。
カーボンナノチューブや金属ナノ粒子といったナノフィラーの活用や、環境因子に対する信頼性評価、ストレッチャブル導電材などの研究事例も含め、理論と応用の両面から体系的に解説します。

 ◆セミナーポイント◆
 ・導電性接着剤の基礎:フィラー種類、分散構造、等方性/異方性の特徴を整理
 ・レオロジーと流動設計:非ニュートン流体特性と可使時間への影響を把握
 ・伝導特性の解析モデル:パーコレーション理論や界面抵抗の科学的考察
 ・ナノフィラーと界面設計:カーボン・金属フィラーの応用と分散・接続設計
 ・硬化・焼結プロセス:導電性発現の要因としての硬化収縮・界面化学を解析
 ・設計・実装事例紹介:銀/銅フィラー、ストレッチャブル材料の実用例
 ・信頼性と劣化因子:吸水・酸化・腐食など環境要因とその対策
 ・今後の展望:FHEなど次世代応用に向けた研究動向と材料設計指針

 
キーワード :等方性導電性接着剤、異方性導電フィルム、電気抵抗率、界面電気抵抗、銀フィラー、非銀系フィラー、接続信頼性
日時 【Live配信】 2025年8月27日(水)  13:00~16:30
受講料(税込)
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配布資料 PDFテキスト(印刷可・編集不可)
※開催2日前を目安に、弊社HPのマイページよりダウンロード可となります。
オンライン配信ZoomによるLive配信 ►受講方法・接続確認(申込み前に必ずご確認ください)
備考※講義中の録音・撮影はご遠慮ください。
※開催日の概ね1週間前を目安に、最少催行人数に達していない場合、セミナーを中止することがございます。
得られる知識・導電性接着剤の材料構成と材料設計の考え方
・導電性接着剤の接続信頼性に及ぼす因子と対策
対象導電性接着剤の開発に携わられている材料メーカーの技術者
導電性接着剤を電子実装に用いておられるセットメーカーの技術者

セミナー講師

群馬大学 大学院理工学府 知能機械創製部門 准教授 博士 (工学) 井上 雅博 氏
【講師紹介】

セミナー趣旨

 有機高分子接着剤中に金属やカーボンといった導電フィラーを分散させた導電性接着剤は、部品接続や配線/電極印刷などの用途で電子実装分野において用いられてきました。また、フレキシブル・ハイブリッド・エレクトロニクスに代表されるような電子デバイスの多様化を実現するための実装材料のひとつとして、今後も導電性接着剤が重要な役割を担うことが予想されています。このように導電性接着剤は実装材料としての実績を有する材料ではありますが、銀の価格高騰に対応するため非銀系フィラーへの転換が必要とされる等、新たな材料開発も進められています。
 導電性接着剤の開発に着手するにあたり、その接続特性の発現メカニズムが十分に明らかにされておらず、試行錯誤で材料開発が進められているのが現状と思われます。さらに、導電性接着剤の接続特性や信頼性に関して体系的に整理した教科書や専門書もほとんど存在しておらず、学術的基礎に基づいた議論を行うことにも限界があるというのが実情です。
 そこで本セミナーでは、導電性接着剤の開発や実装応用の一助としていただくために、その接続特性発現や不具合発生に影響を及ぼす因子について整理してみたいと思います。

セミナー講演内容

1.導電性接着剤の概要(1):電気および熱伝導
 1.1 導電性のレベル
 1.2 電気伝導と熱伝導の関係
 1.3 導電性接着剤の構成要素
 1.4 フィラー材料の選定:貴金属系と卑金属系フィラー
 1.5 等方性導電性接着剤の微細組織
 1.6 異方性導電性接着剤の微細組織

2.導電性接着剤の概要(2):接着剤ペーストのレオロジー特性
 2.1 ニュートン流体と非ニュートン流体
 2.2 導電性接着剤ペーストのレオロジー特性
 2.3 金属ナノ粒子ペーストのレオロジー特性
 2.4 可使時間に影響を及ぼす因子

3.導電性接着剤の接続特性の解析モデル
 3.1 有効媒質近似モデル
 3.2 パーコレーションモデル
 3.3 動的パーコレーション
 3.4 フィラー間およびフィラー/電極間界面の電気伝導モデル
 3.5 フィラー間およびフィラー/電極間の界面電気抵抗評価
 3.6 導電性接着剤の熱伝導の考え方
 3.7 導電性接着剤の接着強度

4.導電性接着剤へのナノフィラーの適用の考え方
 4.1 カーボンフィラーの利用(1):概要
 4.2 カーボンフィラーの利用(2):フィラー分散のストラクチャーと分散制御
 4.3 カーボンナノフィラーの利用(3):界面電気抵抗向上のための界面設計
 4.4 金属ナノフィラーの利用(1):概要
 4.5 金属ナノフィラーの利用(2):金属ナノ粒子の熱力学
 4.6 金属ナノフィラーの利用(3):金属ナノ粒子の融点降下現象と低温焼結現象の違い

5.導電性接着剤の電気伝導特性発現挙動の解析
 5.1 接続特性のキュア条件依存
 5.2 電気伝導特性発達と硬化収縮の関係の実態
 5.3 電気伝導特性発達と硬化収縮の関係の実態
 5.4 界面化学因子の影響
 5.5 金属ミクロフィラーの焼結現象

6.導電性接着剤の研究例
 6.1 エポキシバインダ中での銀フィラーの低温焼結誘導
 6.2 銀めっきフィラーを用いた導電性接着剤
 6.3 銅フィラーを用いた導電性接着剤の電気的信頼性向上のための材料設計
 6.4 ストレッチャブル導電性接着剤の変形耐性向上のための材料設計

7.導電性接着剤の接続信頼性に影響を及ぼす環境因子
 7.1 高温高湿環境中での吸水現象と腐食
 7.2 高温高湿および高温環境中での銅フィラーの酸化現象
 7.3 接着剤バインダの硬化度や界面接着状態が接続信頼性に及ぼす影響

8.導電性接着剤と金属電極間の界面抵抗の支配因子

9. 今後の展望

 9.1 フレキシブル・ハイブリッド・エレクトロニクスにおける導電性接着剤の役割
 9.2 有機/無機ハイブリッド材料としての導電性接着剤の基礎研究

 □質疑応答□