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相分離生物学の基礎と
創薬への応用に向けた先駆的研究事例/展開

~液-液相分離(LLPS)という新しい視点をどのように適用し、問題解決へ近づけるか~

受講可能な形式:【ライブ配信(アーカイブ配信付)】or【アーカイブ配信】
分子に焦点を当てた従来の見方だけでは解決が難しい課題に対し、
LLPSという新しい視点をどのように適用し、問題解決へ近づけるかという考え方を紹介

細胞内におけるタンパク質の機能は、液-液相分離(LLPS)によって制御される場合があることが
 分かってきました。
▶現在の生命科学では、分子を特定して機能を推測するだけでなく、
LLPSと関連づけて理解する流れ
 定着しつつあります。
相分離生物学:最近の重要トピック、基礎原理、試験管内での再現例までを体系的に紹介
▶創薬への応用に向けた
先駆的研究事例も取り上げ、最新動向を解説
日時 【ライブ配信受講(アーカイブ配信付)】 2026年2月13日(金)  13:00~16:30
【アーカイブ配信受講】 2026年3月2日(月)  まで受付(配信期間:3/2~3/13)
受講料(税込)
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定価:本体45,000円+税4,500円
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【2名同時申込みで1名分無料キャンペーン(1名あたり定価半額の24,750円)
※1名受講:39,600円 ( Eメール案内登録価格 37,840円 ) 
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1名申込みの場合:受講料( 定価:39,600円/Eメール案内登録価格:37,840円 ) 
  定価:本体36,000円+税3,600円
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※講義中の録音・撮影はご遠慮ください。

セミナー講師

筑波大学 数理物質系 教授 博士(理学) 白木 賢太郎 先生

[専門/主な業務]

タンパク質溶液学(安定化・凝集・共凝集・液-液相分離・凝集抑制・粘性制御)

【講師紹介】

著書:『相分離生物学』(東京化学同人)2019年8月

 

セミナー趣旨

細胞内におけるタンパク質の機能は、液-液相分離(LLPS)によって制御される場合があることが分かってきました。現在の生命科学では、分子を特定して機能を推測するだけでなく、LLPSと関連づけて理解する流れが定着しつつあります。本講座では、生命科学に起きているこのパラダイムシフトを俯瞰し、今後の展開を考えるための視点を共有します。

相分離生物学と呼べるこの分野の誕生の経緯から、最近の重要トピック、基礎原理、試験管内での再現例までを体系的に紹介します。さらに、創薬への応用に向けた先駆的研究事例も取り上げ、最新動向を解説します。最後に、構造生物学から相分離生物学へと至る研究史を概観し、近年タンパク質研究に変革をもたらしているAI技術のインパクトについても紹介します。

◆講習会のねらい◆
相分離生物学に関心があり、全体像をまとめて把握したい方に向けて、発見の経緯から最新トピックまでを整理してお話しします。教科書『相分離生物学』や専門書『相分離生物学の全貌』を土台に、重要な原著論文も参照しながら、この分野の大きな流れと現在地を解説します。また、分子に焦点を当てた従来の見方だけでは解決が難しい課題に対し、LLPSという新しい視点をどのように適用し、問題解決へ近づけるかという考え方を紹介します。

セミナー講演内容

■はじめに:相分離生物学とは
オルガネラと非膜オルガネラ
液-液相分離による液滴の特徴
相分離生物学の位置付け

■タンパク質の液-液相分離
身近なタンパク質でのLLPSの再現
液滴から凝集体への成熟
相図から考えるLLPSの原理
多相液滴
液滴を証明する技術

■細胞内LLPSの多様な機能
スーパーエンハンサー
ヘテロクロマチンとユークロマチン
ヌクレオソーム
ヘキサンジオール
自然免疫の応答
分子が存在すると機能する?
翻訳後修飾の真の役割
新型コロナウイルスとLLPS
炭酸固定
プリオン

■代謝と酵素
代謝マップ
なぜ酵素反応は混戦しないのか?
メタボロン
G-body

■酵素本来の活性を引き出す
LLPSによる酵素活性化のメカニズム
乳酸酸化酵素の液滴と2桁の活性化
酵素液滴の内部の粘度
酵素の実験系
コスモトロープ
高分子電解質
アミン化合物

■創薬への新しいアプローチ
分子標的薬
相分離液滴の分子選択性
抗がん剤の取り込み
乳がんの新しいターゲット
抗生物質の取り込み
天然変性タンパク質がターゲットに
低分子の溶解度予測
病原性ミスセンス変異

■アミロイド
難航するアルツハイマー薬開発
液滴を介したアミロイド形成
やわらかい凝集体と毒性
液滴にも含まれるクロスβ
界面でのFUSのアミロイド形成
脂質界面でのAβのアミロイド形成
水性二相溶液界面でのアミロイド形成

■歴史:構造生物学から相分離生物学へ
X線結晶構造解析
構造生物学の到達点
プロテインデータバンク
人プロテオームの天然変性タンパク質
P顆粒は液体の性質を持つ
多価相互作用と相分離
RNA結合タンパク質のゲル化
RNAの相分離

■人工知能とタンパク質研究
2024年のノーベル化学賞
AlphaFold2の誕生
アンフィンセンのドグマ
人工タンパク質の設計例
AlphaFoldデータベース
相互作用を予測するAlphaFold3
逆フォールディング問題の解決へ
酵素の完全設計へ

■ポスト相分離生物学に向けて
「溶ける」という現象とは?
ATPと病的タンパク質の液滴
ハイドロトロープと低分子の役割
天然深共晶溶媒
ポスト相分離生物学へ


       □質疑応答□