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査察指摘事例をふまえた
医薬品の試験検査室/製造工程における
OOS/OOT調査・手順と事例考察

~OOS/OOTが起きた時の初動調査/製造工程調査/ 再試験/ 再サンプリング~

発刊日 2019年2月12日
体裁B5判並製本  309頁
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ISBNコード978-4-86428-181-2
CコードC3047
#OOS/OOT の考え方とOOT 導入
最近のFDA の査察ではラボエラーか製造のエラーかをできる限り追及するように指導している。
FDA 査察対応としては,ラボエラー調査をQC だけに任せるのではなく,QA 自ら,試験者にインタビューしたり,
同じサンプルでの追加の試験を行う等してラボエラーの調査を徹底的に行うことが求められているので,
1件1件のOOS 対応を確実に行うことになる。
調査の追加試験(同じサンプルの試験)等により,ラボエラーの可能性があるものはラボエラーと判断できるように,
また根拠データでラボエラーと説明できるようにしてラボエラーと判断する。
 
#OOS/OOT が起きた時の初動調査/製造工程調査/ 再試験/ 再サンプリング方法
原因を明確に特定できない場合があり,その場合は,すべての調査結果に基づき,科学的な判断が必要となる。
OOS,OOT の調査は市場に対して大きな影響を与えることから,企業は最優先で取り組まなければならない。
調査結果は,最終的な判断の材料となるため,
すべての結果は,データインテグリティの確保が必要となる。
 また,最終的にOOS,OOT と判断された場合は,是正・予防措置を行う必要があり,
医薬品のライフサイクルを通じて改善されていく必要がある。
 
# CAPA の運用と現場改善
FDA は,Warning Letter の発出にあたり,
「この指摘に対しては,適切に是正措置及び予防措置(CAPA)で処理すること」を求めている。

GMP 省令では,是正措置として規定されているが,予防措置としては明確に記載がない。
しかし,現状,多くの場面でCAPA 対応が必要である。
CAPA について改めて考えた上で,どのように現場改善につなげていくかを解説する。
 

#OOS/OOT に対するData Integrity の強化
多くの製造所は試験室から得られるデータ完全性(Data Integrity)の強化を図っているが,
明確に何をどのようにして(What (何を),Where(どこで),When(いつ),
How(どのように),Who(誰が))強化すれば良いのか
悩んでいるのが現状かもしれない。
その要因の一つとして今までに構築してきた現行の品質システムとの整合性を図ることの難しさがあると考えられる。
 品質システムの観点からのデータ完全性の強化をどのように図っていくかの一例として
製造所で発生した「OOS/OOT に対するData Integrity の強化」の知見を紹介する。
 

#欧米における査察でのOOS/OOT の指摘事例,それをふまえた準備と対応
どのようにして指摘になることを避け,どう回答するか,最近のForm483やWL のケーススタディをもとに,
OOS 問題の扱い方,調査の方法について学んでいく。


限られた海外査察の日数で合理的に進めようと思えば,リスクベースに基づく形になると思って間違いないと思われる。
 逸脱リスト・記録確認,苦情リストと記録,CAPAリストから,査察にフォーカスすべきポイントを絞り,
抽出した事例についてクロノロジカルな前後関係であるか・矛盾はないか・CAPA を開いているかどうか・
その処理はロジカルで,科学的なアプローチでSystematic なものか・
調査の範囲の選定と調査の深さは理にかなっているかを読み取る。

ラボ試験の精査⇒ OOS/OOT の件数と逸脱処理についての精査⇒ CSVに関わる管理レベルの確認⇒
CAPA の手順と実際の処理
というような流れを追って,いわゆる品質システムが機能しているか,
マネジメントに適切に報告がいくようになっているか,品質部門(Quality Unit)が機能を
発揮できるような手順と実際があるかを今一度レビューしていく。

 
※書籍内で紹介している主な事例
【OOS 起因の製造での品質問題の原因調査の実例とその手順書】
事例1 不溶性異物の経年での析出(原薬の出発物質の変更)
事例2 不溶性異物の受入試験でOOS(海外製造所の異物改善事例)
事例3 変更時の確認不十分による異物発生事例/ 不溶性微粒子の改善(添加剤由来)
事例4 開発段階の取組み/ 海外製造品 イタリア編
事例5 開発段階の取組み/ 海外製造品 米国編
事例6 水分がOOS
事例7 フィルム錠の印刷文字欠け/ 評価方法確立が改善を推進
事例8 ソフトカプセルの仕込み含量の根拠/ 製造の分析の知識の必要性
事例9 グラスファイバー/ 製造現場を知る

【CAPA の運用と現場改善】
事例1 内服固形剤の溶出試験
事例2 類縁物質
事例3 文章の訂正
事例4 指摘事項に対する手順書の改訂
事例5 是正措置としての教育訓練

【試験室管理でのOOS/OOT 管理と事例】
事例1 ラボエラーが発端の製品回収
事例2 顆粒の含量試験でのOOS 多発対応としてバラ包装廃止
事例3 安定性モニタリング(25℃× 60%)でのOOS 対応
事例4 溶出試験のOOS 対応
事例5 試験ノウハウがOOS 対策に必要な試験
事例6 古い試験方法のOOS
事例7 試験者の癖がOOS を起こしている場合
事例8 OOS で頭を悩ましたカプセルの溶出試験

【製造現場・外部委託先でのOOS/OOT 管理と事例】
事例1 英国委託先のラボエラーによる欠品対応
事例2 国内販売品の販売移管時の品質評価(溶出試験)
事例3 海外販売品導入品の品質評価(溶出試験)
事例4 OOS で頭を悩ましたカプセルの溶出試験
事例5 自主管理基準のOOT 管理不備による製品回収
事例6 OOT 管理不備を指摘されたと思われる製品回収
事例7 製造環境のアラートレベル(OOT)の度重なる逸脱
事例8 混合均一性と含量均一性の事例・錠剤外観の事例