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食物の味・香りを測る

~活性物質同定から、生物の味覚・センサ開発まで~


 受講可能な形式:【Live配信】のみ

IoTの普及と共にセンサの重要性が増している中、先端センサ研究を行う大学とセンサで事業を行う企業との間で協調関係を築き、
ビジネスモデルの検討やセンサ技術の検証等の議論を行う場として活動しているセンサ&IoTコンソーシアム。

コンソ―シアムが主催(後援:サイエンス&テクノロジー)する本セミナーでは、

五感の可視化として残されていた課題でもある味覚と嗅覚の可視化の現状・展望や、
旨味・甘味受容体と動物の食性について、ネコの生物現象で知られるマタタビ研究についてなど、
食物の味・香りに関するテーマにて、3名の演者よりお話し頂きます。
このセミナーの受付は終了致しました。
日時 2023年10月4日(水)  13:00~16:30
会場 オンライン配信セミナー  
会場地図
受講料(税込)
各種割引特典
29,700円 ( E-Mail案内登録価格 28,160円 ) S&T会員登録とE-Mail案内登録特典について
定価:本体27,000円+税2,700円
E-Mail案内登録価格:本体25,600円+税2,560円
■アカデミー価格
 学生・教員および医療従事者はアカデミー価格[11,000円(税込)]でのご受講が可能です。
 「このセミナーに申込む」ボタンから申込み画面へ進み、参加方法の「□アカデミー価格を適用」を
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■センサ&IoTコンソーシアム会員の方および研究者情報執筆の先生
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 マガジンをご確認ください。コンソーシアムに関する問い合わせはこちらからお願いいたします。
主催センサ&IoTコンソーシアム
後援:サイエンス&テクノロジー(株)
本セミナーの受講申込で頂いた申込者様の情報は、サイエンス&テクノロジー(株)およびセンサ&IoTコンソーシアムの両者で共有させて頂きます。予めご了承ください。
配布資料PDFテキスト(印刷可・編集不可)
 ※開催2日前を目安に、弊社HPのマイページよりダウンロード可となります。
 ※本資料の内容は投影スライドとは異なる場合がございます。
  (第1部は講演関連の日本語総説の紹介を予定)
  
オンライン配信
ZoomによるLive配信 ►受講方法・接続確認 (申込み前に必ずご確認ください)

セミナー視聴・資料ダウンロードはマイページから
お申し込み後、マイページの「セミナー資料ダウンロード/映像視聴ページ」に
お申込み済みのセミナー一覧が表示されますので、該当セミナーをクリックしてください。
開催日の【2日前】より視聴用リンクと配布用資料のダウンロードリンクが表示されます。
備考※講義中の録音・撮影はご遠慮ください。

セミナー講師

コーディネーター:東京大学 先端科学技術研究センター 特任准教授 光野 秀文 氏

第1部 「ネコのマタタビ反応を誘起する活性物質の特性と蚊よけ効果について」(13:00~13:55)
 岩手大学 農学部 教授 博士(農学) 宮崎 雅雄 氏

 【専門】生化学、分子生物学、獣医学、分析化学、動物行動学 【講師紹介

第2部 「旨味・甘味感覚と食性」(14:00~14:55)
 明治大学 農学部 農芸化学科 特任講師 博士(農学) 戸田 安香 

 【専門】食品科学 【講師紹介
 
第3部 「味と香りの可視化を行う味覚・嗅覚センサ」(15:00~15:55)
  九州大学 高等研究院 特別主幹教授 工博 都甲 潔 氏

 【専門】バイオエレクトロニクス,味覚センサ,匂いセンサ 【講師紹介

パネルディスカッション (16:00~16:30)
 
演者:宮崎氏 戸田氏 都甲氏  コーディネーター・座長(光野氏)/ センサ&IoTコンソーシアム会長(三林氏)
 

セミナー講演内容

第1部 「ネコのマタタビ反応を誘起する活性物質の特性と蚊よけ効果について」
  岩手大学 農学部 教授 博士(農学) 宮崎 雅雄 氏
 
 ネコはマタタビを見つけると、葉を舐めたり噛んだり、葉に顔や頭をこすり付けたり、ゴロゴロ転がったりする。これはネコのマタタビ反応と呼ばれ、日本ではことわざにもなっておりとても有名な生物現象である。この反応は、マタタビが生産するイリドイド化合物をネコが嗅ぐと発動し、単に陶酔しているだけであると解釈されてきた。しかし我々はこの通説を覆し、イリドイド化合物に昆虫の忌避活性を見いだし、マタタビに体を擦り付けたネコにイリドイド化合物が付着することで、伝染病を媒介する蚊などの害虫に刺されにくくなることを立証した。本講演では、これまでの研究で明らかになったマタタビ研究の概要と今後の展望について紹介させて頂く。
 

第2部 「旨味・甘味感覚と食性」
明治大学 農学部 農芸化学科 特任講師 博士(農学) 戸田 安香 氏
 
 味覚は、食物に含まれる栄養素や毒物・腐敗に関する情報を取得する重要な役割を果たす。味は5つの基本味(旨味・甘味・苦味・酸味・塩味)に分類され、口の中にはそれぞれの味質を感知するセンサー分子(味覚受容体)が存在する。
 5基本味のうち、旨味と甘味は食物中に含まれる重要な栄養素であるアミノ酸と糖類の存在を示すことから、おいしい味(嗜好味)として認識される。脊椎動物では、クラスCのGタンパク質共役型受容体(GPCR)であるT1Rファミリーが旨味・甘味受容体を構成する。ヒトではT1Rファミリーのうち、T1R1とT1R3のヘテロダイマーが旨味受容体を構成しアミノ酸やヌクレオチドを、T1R2とT1R3のヘテロダイマーが甘味受容体を構成し糖を受容する。
 演者らは培養細胞を用いた味覚受容体の機能解析技術を開発し、様々な生物のT1R受容体がどのような味成分で活性化されるのかを調べてきた。その結果、T1R受容体は動物の食性に応じて柔軟に受け取る味物質の種類を変化させてきたことが明らかになった。本セミナーでは、鳥類がどうやって花の蜜を味わっているのか、ヒトはなぜグルタミン酸に旨味を感じるのかなど、私たちに身近な謎に迫ったT1R受容体研究について紹介していきたい。
 

第3部 「味と香りの可視化を行う味覚・嗅覚センサ」
九州大学 高等研究院 特別主幹教授 工博 都甲 潔 氏
 
 SDGs,そしてコロナ禍で大きな社会変革が求められている.これまで味や匂いの表現や再現,そして伝達は不可能と考えられていた.講演では,日本で産まれた科学技術の一つである味覚センサの原理と応用,そして近年発展の著しい匂いセンサの現状を説明する.これらのセンサ開発の結果,新食品の開発,個人嗜好の可視化,食のサプライチェーンの効率化がなされようとしている.科学技術は社会を支えてきた.しかし,それは五感のうちでもテレビやゲーム機に見る如く視覚と聴覚,触覚に限定されていた.最後の課題であった味覚と嗅覚の可視化で,新しい社会が創造されようとしている.
 
パネルディスカッション
パネリスト:宮崎氏 戸田氏 都甲氏 / 光野氏 三林氏