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マイクロリアクター/フロー合成による
反応条件を最適化した導入と目的に応じた実生産への適用

~事例をふまえた現状と課題 / 不具合を避けるための設備設計~

発刊日 2020年4月28日
体裁B5判並製本  270頁
価格(税込)
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ISBNコード978-4-86428-211-6
CコードC3047
<書籍内容>
■第1部 マイクロリアクター/フロー合成技術の最新トレンド
 第1章 フロー自動合成とAI(人工知能)を活用した研究・開発 ~現状の課題と将来展望~
 第2章 シミュレーションを活用したプロセス設計 ~混合性能が反応生成物の収率向上に及ぼす影響~
 第3章 3Dプリンタを活用した流路作製 ~材質を考慮した適用事例~

■第2部 マイクロリアクター/フロー合成技術を用いた実用化事例
 第1章 有機合成への応用技術と実用化事例
 第2章 ナノ粒子製造への応用技術と実用化事例
 第3章 プロセスの連続化と反応条件の最適化事例

■第3部 マイクロリアクター/フロー合成技術の活用に向けた円滑な導入と設備設計
 第1章 設備及び装置の設計ポイント ~ラボレベルと試験機におけるコンセプトの違い~
 第2章 本質安全を目的としたフロー技術の導入事例とスケールアップ
 第3章 フロー合成設備で考慮すべき配管システム ~安全性と品質を確保するためのサンプリング~
 第4章 合成操作で起こる不具合とトラブル対策 ~バッチプロセスとの比較と活用に向けた課題~
 第5章 PATによる製造コストの削減とリスク回避 ~連続フロー生産の利点最大化~

■第4部 医薬品におけるマイクロリアクター/フロー合成技術の規制要件とGMP適合 ~連続生産の導入へ~
 第1章  医薬品規制当局の連続生産への期待と規制要件に関する検討状況
 第2章  GMPに適合したフロープロセス実現のための手法  ~欧米での先行導入事例~
 
-マイクロリアクターにおける自動合成・AIの活用と将来展望-
  なぜ、フローマイクロリアクターがこれほどに注目を集め社会実装が推進されているのかというと
  バッチ型プロセスでは実現不可能な反応や合成を可能にするという点が大きい。21世紀の合成手法の
革新という観点から、フローマイクロリアクターはその立ち位置を不動のものにしつつある一方で、
           近年、自動化ならびに人口知能の活用への期待が高まっている。
 
フロー自動合成および人口知能(AI)活用した合成の研究・開発状況についての紹介
 自動化やAI の活用は、マイクロリアクターにおいて有機合成化学や高分子合成化学の
研究・開発において強力な道具となるに違いない

-マイクロリアクターの混合性能が反応生成物の収率に及ぼす影響-
     二流体の高速混合効果を化学反応に活用して、反応生成物の収率を向上させて反応廃棄物を低減させる研究が
報告されている。しかし
どの程度の混合性能を有するマイクロリアクターを使用すると反応生成物の収率が
  どの程度向上できるのか不明である。そこで、シミュレーションを活用したプロセス設計が求められている。

 マイクロリアクター内で起こる逐次反応を対象に混合と反応の現象をモンテカルロ法でシミュレーションして
 マイクロリアクターの混合性能が反応生成物の収率向上に及ぼす影響の検討を行い解説


-3D プリンタによるマイクロリアクターの作製事例-
       3Dプリンタでは樹脂がメインの材質であるが金属への適用も徐々に広まってきている。
    金属3Dプリンタが普及すればさらに広範囲な用途のマイクロリアクターの作製が可能となってくることが期待される。

 3Dプリンタを用いてマイクロリアクターを作製する際の課題とその適用事例を紹介
社会実装を進めていきながら世の中のニーズにマッチしたデバイスになるように改善や変更を加えて実用化を目指していく。


- 企業で実用化されているフローマイクロ合成の実例 ~化成品合成において重要となる要素~-
実験室レベルのフローマイクロリアクターを用いた有機合成ではその特長を活かしバッチ型反応器では不可能な
分子変換など新たな発見が日々なされている。産業化を見据えた取り組みも積極的に行われている。
工業的な化学合成は実験室と比べ非常に大きなスケールで行われることが多く、実験室レベルでの
フローマイクロリアクター合成の際は考慮されない側面にも着目される。

 フローマイクロ合成をその特長ごとに分類し顕著に表れた実験室レベルの合成技術について解説
また、工業化の際に重要となる特長を国内外の企業や研究室で実際に取り組まれている事例をもとに紹介

  
- マイクロリアクターやマイクロミキサーを利用したナノ粒子製造 -
マイクロリアクターやマイクロミキサーを利用したナノ粒子製造は、高い再現性および制御性が得られ、
量子ドット、金属や金属酸化物、多孔性配位高分子、有機物など数多くの事例報告されている。

 ナノ粒子におけるフロー製造法/製造事例/ハイスループットスクリーニングシステム開発の現状までを紹介
ナノ粒子を用いた最先端の製品開発において、特性を備えたナノ粒子材料とその製造プロセスを
社会が求める速度で開発できる状態に到達しつつある

  
- 高純度で連続合成するための反応高速化に向けたマイクロ波 -
      ファインケミカルズを戦略的に創製するには標的分子の各パーツを迅速かつ十分な量で、さらに高純度で
      連続合成することが強く求められる。そのためには,反応の高速化と高純度化を同時に満たす必要がある。
      この課題の解決法の一つとして、マイクロ波による急速的・物質選択的加熱とフロー法による滞留時間制御の
      組み合わせによるアプローチが注目されている

 難合成反応のマイクロ波による高速化と大流量化によるキログラムスケール供給を満たすとともに、
フロー反応条件迅速最適化プログラムによる高収率化(=高純度化)を実行できるシステム開発例の紹介


- ラボレベルと試験機の使用目的によるリアクター設備の要求事項 -
     連続合成装置としてマイクロリアクター及びフローリアクターの装置設計を考える場合には、基本的な目的と
        考え方には変わりが無いものの、装置としての使用目的やその応用に対して要求されるデザインコンセプトに違いが存在する。

 試験生産、実生産を目的としたフローリアクターの設計設備を中心に
ラボレベルでの試験機器とのコンセプトの違いについて解説


-ホスゲン反応のフロー化によるスケールアップの導入事例-
フローリアクターを導入する動機は各企業様々であり、どの動機が最も合理的な理由となりうるかは
各企業の置かれている状況に依存する。中でも導入メリットとして経済的理由を挙げる人は多いが本当に
そのメリットだけで経営層から理解を得つつ数年かけて技術を研鑽し設備化にまでたどり着けるのかは疑問である。 
 
フロー技術の導入メリットを「安全」に設定して社内でテーマ探索を行う中、当時開発中の医薬品候補化合物の
製造プロセスにあったホスゲン反応に注目し、反応をフロー化することで本質安全が達成できることを証明した。
周囲の協力を得ながらスケールアップにも成功し設備導入に至った経緯について技術の詳細内容とともに紹介


- 生産プロセスにスケールアップする際の安全性と生成物の品質確保 -
       生産プロセスにスケールアップをする場合は実験室レベルに比べると安全性に関する考慮がより重要になる。
  実験室で使用していた装置の台数を増やす、または長時間運転をする等だけでは生産プロセスを確立できない場合も考えられる。
 
「法規対応」に焦点をあて安全性と品質確保に向けたサンプリング・システム構築について解説
  安全性の機能を実現した生産プロセスの実現に向けて


-フロー合成の操作で生じるトラブルと対策-
       これまで多くの知見の蓄積があるバッチプロセスに比べ、全く新しいコンセプトに基づいている
フローマイクロリアクター、は技術の応用が始まったばかりである。それゆえに必ずしも導入がスムーズに進んでいない
状況が存在しまた技術を最大限に活用するために解決すべき課題も少なくない状況にある。
 
実用化に向けた課題の整理、初期検討における反応場構築及び生産プロセス適用検討時の不具合の事例
 トラブル対策のポイント、ケーススタディを解説


- 連続生産に導入に向けた医薬品規制当局から見た規制要件 -
なぜ医薬品の連続生産が注目されているのか。
バッチ生産自体に問題はなく今後も用いられる生産方式の1つであることには変わりはないと考えるが
バッチ生産では実現しにくかった事項が連続生産では実現できる可能性がある。規制当局側から考えてみた。

 連続生産によって実現されうる事項とその恩恵、日米欧の規制当局の動き
経口固形製剤への連続生産の導入を中心に原薬に応用する場合の共通点や相違点について考察