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電磁波・ノイズ対策技術の最新動向

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日時 2023年6月7日(水)  9:55~16:00
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 申し込み受領後、主催会社(株)ジャパンマーケティングサーベイから請求書を郵送致します。
 またWebセミナーの視聴方法について詳細をご案内いたします。
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 ■キャンセル
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備考※特記事項
 講演会は受講者数が規定に達しない場合中止する場合があります。
 尚、請求書は開催が決定した場合のみ送付いたします。
 写真撮影、録音、録画を禁止いたします。

セミナー講師

【第一部】
山形大学大学院 理工学研究科(工学)建築・デザイン・マネジメント専攻 教授 日高 貴志夫 氏

【第二部】
株式会社クオルテック EMC研究室 室長 工学博士 前野 剛 氏

セミナー趣旨

 ギガヘルツ帯/車載における電磁波・ノイズ対策技術の最新の動向について詳細に解説して頂くことによって、関連業界の方々の今後の事業に役立てていただくことを目的とします。

セミナー講演内容

1. ギガヘルツ帯における電磁波・ノイズ対策技術
山形大学大学院 日高 貴志夫 氏

 第五世代移動通信(5G)の電磁波シールド・吸収材料の選定が佳境に入っている。本講義では今後の高周波へ向かうトレンドおよび対応する電磁波ノイズ対策として、新事業展開への提言と位置付けて、電磁波シールドおよび吸収用材料の開発を提案する。前半に5Gの最近の動向およびそこで用いられる電磁波シールドおよび吸収の原理について初学者にも分かり易く述べる。高校レベルのベクトルについての知識があると理解が深まる。後半は講演者の経験に基づく、導電材料・磁性材料・誘電材料の特性を活かしたシールド・吸収材料を開発する方法について経験を交えながら解説する。2020年4月から5Gが本格稼働した。次の一手をみると、NTT白書によるとビヨンド5G(B5G)を5Gエボリューションと位置付けて進めている。また、NOKIAは高速通信に対してシャノン限界を超える目標を立てている。その構想に至る基本的な原理を短時間だが読み解いてゆく。B5G対応のために作られる新素材の電磁波評価は、材料提案をする開発者に理解しにくいことがある。また、電磁波シールド・吸収材料を作る必要性についての明確な市場ニーズがなければならない。したがって、新規提案するときの事業化形態についても考える。

 1. 第五世代移動通信(5G)の動向
  1.1 5GMFの概要
  1.2 5Gの三つの目標およびキーコンセプト
  1.3 周波数に対応した電磁波吸収材料の選択のコツと可能性
  1.4 B5Gとは何か(シャノン限界に応える電磁波遮蔽・吸収材とは何か)
  1.5 B5Gおよび6G(テラヘルツ)の動向
 2.  電磁波の基礎
  2.1 電磁波とは何か(電磁波の回り込みと透過する特性[波の特性])
  2.2 金属が電磁波を反射する原理 (渦電流発生による電磁波遮蔽[シールド効果])
  2.3 電磁波を吸収する原理(電磁波吸収のメカニズム[熱変換])
    a)シールドと吸収の違い
    b)電磁波吸収の原理
  2.4 電磁波吸収のシミュレーション原理
    a)誘電率と誘電正接
    b)電磁波吸収体機能性向上のコツ
 3. 電磁波シールド・吸収材料
  3.1 シールド材料の紹介
  3.2 吸収材料の紹介
 4.  電磁波シールド・吸収材料の評価法
  4.1 インピーダンスアナライザー(スペアナ)を用いる評価法
  4.2 ベクトル・ネットワークアナライザーを用いる評価法
  4.3 自由空間法について(CISPR32法)
  4.4 その他の評価法
 5. ノイズ抑制材料の商品化
  5.1 電磁波ノイズの発生原因と分類
  5.2 ビジネスモデルの構築
  5.3 商品化事例
   5.3.1 磁性材料の粉末ビジネス
   5.3.2 誘電材料のシート売りビジネス
 6. まとめ


2. CASE時代における車載電子システムの対EMC設計
株式会社クオルテック 前野 剛 氏

 自動車のEMC環境は自動運転化の進展などに伴い、情報処理の大容量化/高速化による信号の高周波化や電動車両化に伴う大電力化などにより厳しくなる一方です。EMC環境としての周波数範囲が広範囲化して製品設計が難しくなる中において、電子製品単独ではEMC仕様を満足しても自動車に搭載すると不具合が発生するという事例は後を絶たず、また、金属筐体によるシールド化、電磁波吸収体やフェライトコアの使用、信号配線をシールド線にするなどの対処をしても思うようなEMC性能を得られない事例が多くみられます。
 この様に対応が必要な周波数範囲が拡大する中においても、過去の設計手法に囚われるなどの現代に相応しくない設計や、感覚に基づく誤った設計常識による設計などが散見されることも事実であり、あらためて基礎的な考察が必要であると考えさせられます。
 ここでは前記状況に関連する設計の諸要件について、不具合事例と実験事例を多く挙げた上で、それらすべてに対して物理的な考察を加え、各位の腑に落ちた上で設計の一助となることを目指して解説をさせて頂きます。
 なお、ここで述べる技術的な考察は自動車用の電子機器にとどまらず、産業機器、医用電子機器、民生機器なども含めて広く一般的に適用化であると考えます。

 1. 大電力化と高周波化の進展によるEMC周波数環境の広帯域化 
 2. 電気電子機器の設計とシステム化の際のポイント
 3. ノイズの流入出と放射の少ない電子機器の設計 
  3.1 信号配線における高周波電力伝送の基礎と実験事例 
  3.2 ノーマルモード雑音電流の流入出を抑制する回路基板の設計 
  ・配線間クロストークの低減化による基板外への伝導流出雑音の抑制 
  ・高周波電力伝送の自然な流れを阻害しないグラウンドパターンの設計 
  ・ガードトレースを含む信号配線の適切な配策 
  3.3 デカップリングに有効なデバイスとフィルター構成の例 
  3.4 ノイズの放射を抑制する電磁遮蔽の効果と信号配線に及ぼす影響 
  ・シールド筐体におけるノイズ放射の抑制と伝導流入出ノイズに及ぼす影響
  ・シールド筐体の適切な形状と回路グラウンドへの適切な接続 
  ・磁性体フィラーを配向させた電磁波吸収体の使用における有効性と有害性 
  3.5 回路基板の金属筐体への装着とコモンモードノイズの流入出の関係 
  ・回路グラウンドの接続ポイントとコモンモードノイズの流入出 
  ・放熱器の取り扱いの考察 
 4. ノイズの流入出と放射の少ない電子システム化 
  4.1 電子機器の実車搭載におけるEMC不具合事例と対策および考察 
  ・搭載場所の電磁環境における対策事例 
  ・電子機器の車載システム化におけるEMC不具合と対策事例 
  4.2 一般線材からシールドケーブルまでの配線における対EMC設計 
  ・自動車内の機器間接続ワイヤによるノイズの拡散とその抑制 
  ・対ノイズ性を意図した配線材について 
  ・シールドワイヤによる電磁遮蔽の原理 
  ・シールドワイヤにおける内外部導体分離部分のサイズが及ぼす影響 
  ・シールドワイヤの外部導体接地が及ぼす影響(一点接地か多点接地か) 
  4.3 ハイブリッド車両におけるエミッション対応例と考察 
  ・各種電動車両のシステム構成例とその特徴 
  ・ハイブリッド車両におけるコモンモードノイズの経路と対応 
 5. まとめ