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LiDARを用いた自己位置推定の基礎と
高度自己位置推定システム

※本セミナーは都合により下記日程へ延期になりました。
新日程:2023年9月1日(金)
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(2023/6/23 14:40 更新)
受講可能な形式:【Live配信】のみ

このセミナーの受付は終了致しました。
日時 2023年5月19日(金)  13:00~17:00
会場 オンライン配信セミナー  
会場地図
講師 名古屋大学大学院 工学研究科 航空宇宙工学専攻 助教(博士(工学))赤井直紀(あかいなおき) 氏
 <略歴>      
 2016年、宇都宮大学大学院 工学研究科 博士後期課程修了.
 2016年より、名古屋大学 未来社会創造機構 特任助教.
 2019年より、名古屋大学大学院 情報学研究科 特任助教.
 2020年より、名古屋大学大学院 工学研究科 助教.
 2022年より、株式会社LOCT 代表取締役兼任.
  現在に至る.
 
ロボットや自動車の自動走行,特に自己位置推定に関する研究に従事.
受講料(税込)
各種割引特典
50,600円 ( E-Mail案内登録価格 50,600円 ) S&T会員登録とE-Mail案内登録特典について
定価:本体46,000円+税4,600円
E-Mail案内登録価格:本体46,000円+税4,600円
お1人様受講の場合 50.600円(46,000円+税4.600円)
1口でお申込の場合 61,600円(56,000円+税5,600円/1口(3名まで受講可能))
※S&T E-Mail案内登録価格 S&T複数同時申込み割引対象外

※開催7日前に請求書を発送します。
※開催日から9日前以降のキャンセルは受講料全額を申受けます。但し、セミナー終了後テキストを郵送します。
  ​一旦、納入された受講料はご返金できません。当日ご都合のつかない場合は代理の方がご出席下さい。
※サイエンス&テクノロジーが設定しているアカデミー価格・キャンセル規定対象外のセミナーです。
主催(株)トリケップス
オンライン配信★本セミナーは、Zoomウェビナーを使用して行います。
 受講者の通信回線にセキュリティなどの制限がある場合は参加できないことがあるため、
 事前に当日ご利用予定の通信回線にて、
 Zoom公式ページ(https://zoom.us)にアクセスできることをご確認していただくようお願いします。
 または、Zoomのテストミーティング(http://zoom.us/test)にアクセスできることをご確認ください。
 Zoomをダウンロードしている方はマイクとスピーカーのテストも可能です。
 ※こちらは接続テスト用のミーティングです。実際のセミナー参加者画面とは異なります。

★インターネット経由でのライブ中継ため、回線状態などにより、画像や音声が乱れる場合があります。
 講義の中断、さらには、再接続後の再開もありますが、予めご了承ください。

★受講中の録音・撮影等は固くお断りいたします。

※開催5日前までに主催会社(株)トリケップスから参加者に当日必要なURLとパスワードをメールにてお知らせします。
備考★受講申込者が必要定員に満たないセミナーは中止・延期させていただく場合があります。
 その場合は開催1週間前にご連絡します。

★1口でお申込の場合
 代表受講者を定めて下さい。請求書発送等の連絡は代表受講者へ行います。
 申込時に参加者全員の氏名・所属が明記されていない場合、ご参加できない場合があります。
サブテキストとして、「LiDARを用いた高度自己位置推定システム」(赤井直紀著、3300円(税込)、コロナ社)を使用しますので、必要な方は通信欄にその旨ご記載をお願いいたします。

セミナー趣旨

☆自己位置推定がなぜ必要か、どの様な自己位置推定法があるのか
 自動運転において自己位置推定は重要な技術です。しかし、自己位置推定とはその名の通り「自己(自動運転車両)の位置を知る」技術でしかありませんので、なぜ自動運転に重要かが想像しにくい部分があると思います。本セミナーではまず「なぜ自己位置推定が必要なのか」という基本的なことから説明します。また、自己位置推定がないと自動運転の実装がどうして難しくなるのかといった説明を行います。そして、現在使われている自己位置推定法に関して、その概略・概要をまとめて説明します。

☆自己位置推定をどのように行うか、なぜ自己位置推定は難しいのか
自己位置推定をどの様に行うか、つまり定式化に関する説明を行います。これにより、自己位置推定問題が数学的にどの様な問題として帰着するかを理解して頂きます。そして、この問題を解く具体的な実装方法(観測モデルのモデル化など)を説明します。
実装方法を理解した後には、「自己位置推定がなぜ難しいのか」という根本的な原因を説明します。この原因は「観測の独立性の仮定」に起因しますが、これを理解していただければ、自己位置推定技術とは単に「位置を知る」という問題を解くのではなく、より抽象的なモデル化の議論として理解することができる様になり、問題の本質が見えてくる様になります。

☆最新の自己位置推定技術
上述の「なぜ難しいか」を理解していただいた後に、その問題解決を行うことを目的とした講演者の最新研究について紹介します。講演者はこれらの試みを「自己位置推定の高度化」と呼んでいます。これは単に、自己位置推定の精度や頑健性を上げることを目的とせず、「自己位置推定のできないことをできるようにする」ということをモチベーションとしているためです。またこれを実現するにあたり、自己位置推定以外の問題も解きます。そしてその結果自己位置推定の性能が向上するため、自己位置推定の高度化と呼んでいます。
これらを正しく理解するためには数学的知識が必須となりますが、講演では直感的な理解を優先して説明します。なをこれらの説明に関しては、2022年6月発売予定の「LiDARを用いた高度自己位置推定システム~移動ロボットのための自己位置推定の高性能化とその実装例~(コロナ社)」に詳細が記載されています。また、サンプルプログラムは以下にて公開しています。
 https://github.com/NaokiAkai/ALSEdu

 本セミナーではまず自己位置推定に関する基礎的なこと、および自己位置推定問題の定式化について説明します。その後、自己位置推定を実施するにあたり最も重要な役割を担う「観測モデル」について説明します。そして、この観測モデルを構築する際に用いる「観測の独立性」について解説します。観測の独立性を理解することで、自己位置推定の限界を理解することができます。その後、パーティクルフィルタを用いた自己位置推定であるモンテカルロ自己位置推定(MCL)の説明を行います。ここまでは一般的な話となります。なお、4で説明するMCLの実装例に関しては、ROSのパッケージとして以下で公開しています。
 https://github.com/NaokiAkai/mcl_ros
また、より簡易なPythonによる実装例
 https://github.com/NaokiAkai/pyloc
およびその解説記事も公開しています。
 https://qiita.com/NaokiAkai/items/44b2a160e47a8de44abf
その後、講演者の最近の研究を基にした「自己位置推定の高度化」という内容に関する説明を行います。5では、MCLと機械学習を用いたEnd-to-End自己位置推定の融合を行うことにより、自己位置推定の失敗からの高速な復帰方法の実現について説明します。6では、動的環境下で頑健に自己位置推定を行うための高度化方法に関して説明します。7では、自己位置推定結果の信頼度を推定する方法に関して説明します。なお、5から7の説明の順序は、わかりやすさを優先した順序となっています。

セミナー講演内容

1 自己位置推定の基礎
 1.1 自己位置推定とは何か
 1.2 なぜ自動運転に自己位置推定が重要か
 1.3 自己位置推定のあるなしの自動運転の違い
 1.4 Iterative Closest Points(ICP)とMonte Carlo Localization(MCL)
 1.5 ベイズフィルタSLAMとグラフSLAM
 1.6 自己位置推定とSLAMの手法

2 自己位置推定の定式化
 2.1 グラフィカルモデルからの定式化
 2.2 自己位置推定問題のベイズフィルタとしてへの帰着
 2.3 ベイズフィルタと最適化の違い

3 観測モデル
 3.1 ビームモデルと尤度場モデル
 3.2 動的環境で自己位置が失敗するかの理解
 3.3 観測の独立性の仮定の重要性とそれが引き起こす問題

4 パーティクルフィルタを用いた自己位置推定(MCL)
 4.1 MCLの概要
 4.2 MCLの実装(C++を例に)

5 MCLと機械学習を用いたEnd-to-End自己位置推定の融合
 5.1 重点サンプリング
 5.2 End-to-End自己位置推定とモンテカルロドロップアウト
 5.3 重点サンプリングを介したEnd-to-End自己位置とMCLの融合

6 動的環境下での自己位置推定
 6.1 観測物体のクラスを考慮した自己位置推定
 6.2 環境変化に対する頑健性の向上
 6.3 計算・メモリコストを増大させない頑健性の向上

7 自己位置推定結果の信頼度推定
 7.1 信頼度付き自己位置推定
 7.2 深層学習を用いた自己位置推定の失敗検出
 7.3 深層学習の不確かさを考慮したモデル化
 7.4 信頼度に基づく自己位置推定結果の正誤理解

8 まとめ