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生物の匂いの感覚機能とその応用研究最前線
~嗅覚器・匂い情報処理に基づく行動メカニズムの探究からセンサ・ロボット開発まで~

 
 受講可能な形式:【Live配信(アーカイブ配信付)】のみ

IoTの普及と共にセンサの重要性が増している中、先端センサ研究を行う大学とセンサで事業を行う企業との間で協調関係を築き、
ビジネスモデルの検討やセンサ技術の検証等の議論を行う場として活動しているセンサ&IoTコンソーシアム。

 コンソ―シアムが主催(後援:サイエンス&テクノロジー)する本セミナーでは、生物が持つ優れた嗅覚や匂い情報に
基づいた行動メカニズムの解明を元に、そのバイオミメティック応用に向けた研究を3名の講師が解説します。
このセミナーの受付は終了致しました。
日時 2022年12月7日(水)  13:30~16:25
会場 Live配信セミナー(会社・自宅にいながら受講可能)  
会場地図
受講料(税込)
各種割引特典
29,700円 ( E-Mail案内登録価格 28,160円 ) S&T会員登録とE-Mail案内登録特典について
定価:本体27,000円+税2,700円
E-Mail案内登録価格:本体25,600円+税2,560円
■アカデミー価格
 学生・教員および医療従事者はアカデミー価格[11,000円(税込)]でのご受講が可能です。
 「このセミナーに申込む」ボタンから申込み画面へ進み、参加方法の「□アカデミー価格を適用」を
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■センサ&IoTコンソーシアム会員の方および研究者情報執筆の先生
 上記の皆様は特別招待制度がございます。詳細はセンサ&IOTコンソーシアム配信のメール
 マガジンをご確認ください。コンソーシアムに関する問い合わせはこちらからお願いいたします。
主催センサ&IoTコンソーシアム
後援:サイエンス&テクノロジー(株)
本セミナーの受講申込で頂いた申込者様の情報は、サイエンス&テクノロジー(株)およびセンサ&IoTコンソーシアムの両者で共有させて頂きます。予めご了承ください。
配布資料PDF資料
※本資料の内容は投影スライドとは異なる場合がございます。
※本資料はマイページよりダウンロードいただきます(開催の営業日2日前よりダウンロード可)。
オンライン配信
ZoomによるLive配信 ►受講方法・接続確認 (申込み前に必ずご確認ください)

セミナー視聴・資料ダウンロードはマイページから
お申し込み後、マイページの「セミナー資料ダウンロード/映像視聴ページ」に
お申込み済みのセミナー一覧が表示されますので、該当セミナーをクリックしてください。
開催日の【営業日2日前】より視聴用リンクと配布用資料のダウンロードリンクが表示されます。

アーカイブ(見逃し)配信付き
視聴期間:終了翌営業日から5日間[12/8~12/14]を予定
 ※アーカイブは原則として編集は行いません
 ※視聴準備が整い次第、担当から視聴開始のメールご連絡をいたします。
 (開催終了後にマイページでご案内するZoomの録画視聴用リンクからご視聴いただきます)
備考※講義中の録音・撮影はご遠慮ください。

セミナー講師

コーディネーター:東京大学 先端科学技術研究センター 特任准教授 光野 秀文 氏

第1部 「嗅覚の分子機構と、センサー応用に向けた技術開発」(13:30~14:25)
 
東京大学 大学院農学生命科学研究科 特任准教授 博士(理学) 佐藤 幸治 氏

 【専門】感覚生理学、バイオセンサー 【講師紹介】

第2部 「匂いの価値の脳内情報処理と神経回路機構」(14:30~15:25)
 (国研)理化学研究所 脳神経科学研究センター チームリーダー 博士(理学) 風間 北斗 氏
 【専門】神経科学 【講師紹介】

第3部 「生物に学ぶロボティクス:生体計測と構成的アプローチ」(15:30~16:25)
  東京工業大学 工学院 教授 博士(工学) 倉林 大輔 氏

 【専門】システム工学、制御工学、ロボット工学 【講師紹介】

セミナー講演内容

第1部 「嗅覚の分子機構と、センサー応用に向けた技術開発」
 東京大学 佐藤 幸治 氏

 嗅覚は生活環境に含まれる気体状分子を識別する感覚系で、味覚と比較して圧倒的に高感度であり、多様な分子を識別できる。この優れた嗅覚の特性は、警察犬や官能検査などで古くから社会利用され、新たなイノベーション創出も期待されている。特に近年では、健康状態に伴う体臭の変化に関する知見が蓄積され、嗅覚を利用した健康管理技術が大きく注目されている。
 嗅覚の社会利用を促進するには生きた動物の嗅覚に依存せず、人工的に嗅覚機能を再現したセンサーを利用することが必須である。嗅覚に関連する遺伝子とその機能は解明が進んでおり、培養細胞を用いてその機能を再構築することも可能となった。一方でその最も重要な特性である超感受性について、どのような分子機構で実現できているのかは未解明のままであり、再構築も実現できておらず、バイオミメティックな匂いセンサーの開発に向け、大きな課題となっている。
 本講演では、様々な生物で匂い分子という化学物質のシグナルが嗅覚器でどのように伝達されるのか、その分子機構を解説し、匂い応答としてそのシグナルを検出する技術を紹介する。また遺伝子と培養細胞を利用して、嗅覚器が行う気体状分子の検出を人工的に再現する試みについて紹介する。

 
第2部 「匂いの価値の脳内情報処理と神経回路機構」
 (国研)理化学研究所 風間 北斗 氏
 
 食物や個体から発せられる匂いを検出し、それらがもたらしうる報酬や危険性を評価することは、ヒトや動物が適切な行動を選択する上で必要不可欠である。しかし、脳がどのように匂いの価値情報を抽出するかは未だ解明されていない。
 本講演では、少数の細胞で構成され、ほ乳類と類似した構造や機能を備えるショウジョウバエ成虫の嗅覚回路に着目し、匂いの価値を決定する脳内情報処理とその回路機構の理解に向けた取り組みを紹介する。
 
第3部 「生物に学ぶロボティクス:生体計測と構成的アプローチ」
 東京工業大学 倉林 大輔 氏

 コンピュータやネットワーク技術が飛躍的に進歩した現在、サイバー空間における認識技術・機械学習アルゴリズムは目覚ましい発展を遂げています。その一方で、実空間で活動するロボットはまだ限られた環境でしか活動できていません。個々の動作をロボットと生物で比べれば、生物のそれは弱く、遅く、不正確であるように感じられます。
一方で、様々な状況変化がある中で最終的に目的を達成する能力は生物が圧倒的に優れています。このような生物がもつ柔軟で適応的な行動生成メカニズムの解明にあたり、我々は生物の計測と人工物による再構成を併用して挑んでいます。
 この講演では、生物が発揮する匂い源探索行動を目標機能として、生物が内包するフィードバックメカニズムや行動に対する価値判断の推定を通して、ロボットにおいてその一端を実現しようとする研究活動をご紹介いたします。対象生物に昆虫をとりあげ、反射的だと思っていた行動に内在するフィードバックシステムを見出し、情報エントロピーや状態価値関数の推定を通して姿かたちや大きさが異なる人工物での機能再現を試みます。