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世界的に新設・増産計画が相次ぐ
ポリ乳酸の技術・市場開発最前線

― 生分解性からスマートプラスチックへ ―

受講可能な形式:【Live配信(アーカイブ配信付)】のみ

数多のバイオプラスチックの中から選ばれるには訳がある!
石油系汎用プラに負けず劣らずの基本性能に加え、
生分解性と耐久性の両立、生分解性と抗菌・防カビ性の両立、耐熱性と耐衝撃性の両立が可能な
本当に「スマート」な次世代のプラスチックポリ乳酸
本セミナーでは、そんなPLA固有の特異的な生分解性機構や、機能性向上の技術を専門的かつ詳細に解説します。
日時 2023年6月23日(金)  10:00~17:00
会場 Live配信セミナー(会社・自宅にいながら受講可能)  
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受講料(税込)
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アーカイブ(見逃し)配信付き
 視聴期間:終了翌営業日から5日間[6/26~6/30]を予定
 ※アーカイブは原則として編集は行いません
 ※視聴準備が整い次第、担当から視聴開始のメールご連絡をいたします。
 (開催終了後にマイページでご案内するZoomの録画視聴用リンクからご視聴いただきます)
備考※講義中の録音・撮影はご遠慮ください。
※開催日の概ね1週間前を目安に、最少催行人数に達していない場合、セミナーを中止することがございます。
得られる知識
・地球環境保全と源循環型社会に向けて、SDGsとしてのポリ乳酸
・ポリ乳酸の生分解機構と分解制御技術、抗菌・防カビ性、高性能化材料設計技術
・ポリ乳酸の成形加工と最新用途・製品・市場開発動向

セミナー講師

望月 政嗣 氏 (元京都工芸繊維大学特任教授、工学博士、高分子学会フェロー)
【専門】高分子材料科学、特にバイオプラスチックや生分解性高分子、
高分子の高性能・高機能化材料設計と成形加工技術、繊維・不織布の構造と物性
[紹介]
1968年 京都大学工学部高分子化学科卒。京都大学工学部助手を経て
1969年 ユニチカ㈱入社、中央研究所から大阪本社技術開発企画室を経て
2003年 理事、テラマック事業開発部長。この間山形大学と京都工芸繊維大学客員教授、京都工芸繊維大学バイオベースマテリアル研究センター特任教授兼務
2007年 ユニチカ㈱定年退職後、京都工芸繊維大学繊維科学センター特任教授(常勤)として5年間勤務。この間、日本バイオプラスチック協会(JBPA)識別表示委員会委員長、(社)繊繊学会理事関西支部長等を歴任。繊維学会功績賞、日経BP技術賞、その他を受賞。
[著書]
「生分解性プラスチック入門―生分解性プラスチックの基礎から最新技術・製品動向まで―」(CMCリサーチ)「生分解性プラスチックの素材・技術開発―海洋プラスチック汚染問題を見据えて―」(NTS)、「バイオプラスチックの素材・技術最前線」(シーエムシー出版)、「生分解性ポリマーのはなし」(日刊工業新聞社)、その他多数。

 

セミナー趣旨

 持続可能な開発目標(SDGs)としてのポリ乳酸(PLA)の急速な市場拡大に伴い、PLAメーカーの世界的な新設・増産計画(2024年:約50万トン/年)が相次いでいる。なぜ、数多くあるバイオプラスチックの中でPLAが選択されるのか?その背景には、PLAは単なる生分解性プラスチックではなく、既に旧来の石油系汎用プラと同等の性能レベルにあることはもとより、本来ならばトレードオフの関係にある生分解性と耐久性の両立、生分解性と抗菌・防カビ性の両立、耐熱性と耐衝撃性の両立などを可能にしている、正しく次世代スマートプラスチックとしての基本的要件を内包していることにある。
 本講では、これらポリ乳酸に秘められた奇跡のパラドックス構造を解明するために、PLA固有の特異的な生分解機構と分解(開始・速度)/耐久性制御技術、抗菌・防カビ性の発現機序、耐熱性と耐衝撃性の同時向上技術と共に最新の製品開発動向についても紹介する。

セミナー講演内容

1.持続可能な開発目標(SDGs)としてのポリ乳酸
 1.1 地球環境・資源・廃棄物問題と生分解性プラスチック
  1) 20世紀の石油を原料とする合成高分子化学工業が内包するパラドックス
  2) 海洋プラスチック汚染問題の正しい理解と解決策
  3) 自然界の真のリサイクルシステムとしての物質循環(炭素循環)へのリンク
  4) 生分解性バイオマスプラへの転換…真に持続可能な資源循環型社会の構築
  5) 世界の法規制と業界動向
 1.2 ポリ乳酸の基本特性
  1) 原料は枯渇しないバイオマス由来の再生可能資源
  2) バイオマス由来で地球温暖化に関与しないカーボンニュートラル
  3) 自然環境(土壌、海水・淡水)下での完全生分解性
  4) 使用後の再資源化/リサイクル…自然界の物質循環/炭素循環にリンク
   ①マテリアルリサイクル
   ②ケミカルリサイクル…熱分解による原料ラクチドへの還元
   ③バイオリサイクル
   ・好気性発酵による堆肥化可能
   ・嫌気性メタン発酵による生ごみ発電可能
   * ポリ乳酸には資源枯渇問題も、地球温暖化問題も、廃棄物問題も存在しない!
 1.3 ポリ乳酸レジンメーカー
  1) ニートレジン…ネイチャーワークス、トタル・コービオン、豊原集団他 
  2) コンパウンドレジン(高性能・高機能化PLAレジン)…ユニチカ

2.ポリ乳酸の生分解性/耐久性の制御機構
 2.1 ポリ乳酸の分解開始の支配的因子と制御機構
  1) 2段階2様式の特異的な生分解機構…生分解性と耐久性の両立
   ・第一ステップ…化学的加水分解(分子量、強度低下による形状崩壊)
   ・第二ステップ…生成した水溶性乳酸を微生物が資化・代謝(生分解)
  2) Tg:58℃≒堆肥化温度…分解開始トリガー/自動スイッチオン機構
 2.2 ポリ乳酸の分解速度の制御…残留ラクチド、COOH末端基濃度と製品寿命
  1) タイプS(残留ラクチド多)…分解速度速い/製品寿命短い
  2) タイプM(残留ラクチド少)…中程度
  3) タイプL(残留ラクチド少、COOH末端基封鎖)…分解速度遅い/製品寿命長い

3.ポリ乳酸の生分解性/抗菌・防カビ性の制御・発現機構
 3.1 ポリ乳酸の耐食害性と抗菌・防カビ性試験
  1) ネズミ食害試験
  2) プラスチックのカビ抵抗性試験…JIS Z-2911
  3) 生鮮イチゴ収納容器のカビ抵抗性試験
  4) 繊維の抗菌・防カビ性試験…繊維製品新機能評価協議会・抗菌防臭加工基準
  5) 消費者から届けられた声
   ・ボディタオル…長期間使用しても従来品のように嫌な臭いや着色がなく清潔
   ・生ごみ水切りネット…長期間使用してもバイオフィルム形成による目詰まりなし
 3.2 ポリ乳酸の生分解性/抗菌・防カビ性の制御・発現機構

4.ポリ乳酸の高性能化材料設計技術の進展・・・既存石油系汎用プラと同等以上
 4.1 耐熱性…荷重たわみ温度(DTUL)、熱変形温度(HDT)又は熱収縮率
  1) 結晶性高分子の耐熱性支配因子…結晶化速度
   ・主剤…高L組成ポリ乳酸(High %L PLA)
   ・添加剤…造核剤(分散型、溶解型)、結晶化促進剤、マルチ機能改質剤
  2) 結晶化促進剤の成形加工分野別選択指針…溶融張力との関係
  3) 耐熱性、透明耐熱性の現状到達レベル
   ・電気・電子機器筐体、部品…150 ℃/低荷重下(0.45MPa)
   ・食品容器…120~130℃ x 5分/電子レンジ加熱
   ・ティバッグ、飲用カップ…95~100℃/熱湯注入
   ・透明耐熱性(ヘイズ<5%)…130℃
 4.2 耐衝撃性
  1) 添加剤の選択・配合設計と作用機序 
タイプ 具体例 相溶性 Tg, Tmへの影響
A 可塑剤 低下
B ブロック共重合体、高分子界面活性剤 なし
   2) 耐衝撃性の現状到達レベル
   ・電気・電子機器筐体、部品…9.6 kJ/cm2(シャルピー衝撃強度)
   ・シート成形品…落球法(100gの重りを50㎝の高さから)
 4.3 耐熱性と耐衝撃性の同時付与…マルチ機能改質剤とその発現機構

5.ポリ乳酸の成形加工と製品・市場開発動向
 5.1 ポリ乳酸の成形加工製品…繊維・不織布・モノフィラメント、フィルム・シート、真空成形、射出成形、発泡成形、ブロー成形
 5.2 ポリ乳酸の用途・製品・市場開発動向<多数の製品写真で説明>
  1) 自然環境下で使用…農林・園芸・土木・水産資材
  2) 短期間(~1年)使用…使い捨て食品容器・包装材、食器具、生活・衛生資材
  3) 中期間(3~5年)使用…衣料、生活雑貨、産業資材
  4) 長期間(5~10年以上)使用…電気・電子機器筐体・部品、リターナブル食器、自動車内装部品、産業資材

  □質疑応答□