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生分解性プラスチックの基礎と技術・市場動向

コロナウイルス禍と海洋プラ汚染問題で変わる生分解プラビジネス
生分解プラで新規事業を立ち上げる際に押さえておきたいポイントを解説

ポリ乳酸を中心とした生分解性プラスチックの新規事業創出の最前線を解説
イノベーションとは?海洋プラスチックの汚染問題の今現在とは?
生分解プラを取り巻く国内外の規制・ガイドラインの現状は?
生分解性プラの分類や基本特性は?目的・用途別の材料・製品設計指針とは?
生分解プラを活用して新製品・新規事業創出を手掛ける際に押さえておきたいポイントを徹底解説!
日時 2020年9月24日(木)  10:00~17:00
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得られる知識◇ イノベーションの正しい理解と遂行するために求められる資質と能力
◇ 21世紀の地球環境保全と資源循環型社会に向けての国内外動向
◇ 生分解性プラの基礎と生分解特性、高性能・高機能化技術、用途・製品開発動向

セミナー講師

望月 政嗣 氏 [工学博士(京都大学)、高分子学会フェロー]
[専門]
高分子材料科学、特にバイオプラスチックや生分解性高分子、高分子の高性能・高機能化材料設計と成形加工技術、繊維・不織布の構造と物性
[略歴]
 1968年、京都大学工学部高分子化学科卒。京都大学工学部助手を経て、1969年にユニチカ(株)入社。同社中央研究所から大阪本社技術開発企画室を経て、2003年に理事、テラマック事業開発部長。この間山形大学と京都工芸繊維大学客員教授京都工芸繊維大学バイオベースマテリアル研究センター特任教授兼務。2007年にユニチカ(株)を定年退職した後、京都工芸繊維大学繊維科学センター特任教授(常勤)として5年間勤務。この間日経BP技術賞その他受賞、日本バイオプラスチック協会(JBPA)識別表示委員会委員長、(社)繊繊学会理事関西支部長等を歴任。著書に「バイオプラスチックの素材・技術最前線」「生分解性ポリマーのはなし」その他多数。

セミナー趣旨

 コロナ禍や海洋プラスチック汚染問題が深刻化する中で、生分解性プラスチックの存在感が日増しに向上しつつある。しかるに、学術・技術・メディアの世界においては、確たる知見も実績も有しない「エセ知識人」による幾多の虚偽やミスリードが蔓延している。

 さて、旧来の既成概念や価値観を根底から覆す真のイノベーションは顧客の目先のニーズから生まれるのではなく、供給者自らがイニシアティブを握り顧客にはないニーズを創発することである。今や、量で勝負する高度成長期のトップダウン型消耗戦の時代は終了し、消費者の多様な潜在的ニーズをいち早く探り当てる機動戦の時代へと突入しつつある。

 折しも、日本の古都京都の中小企業から約10年の雌伏期間を経て、今や世界市場を席巻する画期的な新製品ポリ乳酸(PLA)繊維製ティバッグが誕生した。コロナ禍と海洋プラスチック汚染問題が顕在化した今日、生分解性でありながら安全・衛生性に優れた抗菌・坊カビ性を有するPLAがマスク、タオル、ワイパー、エコバッグ、レジ袋、ストロー、食品容器・包装材として世界的に脚光を浴びている。本講は旧来の既成概念や価値観の呪縛から解放され、PLAを中心とする生分解性プラスチックの新規事業創出の最前線を踏査する。

セミナー講演内容

1.イノベーション(Innovation)とは?
  ― イノベーションが渇望される今こそ、多くの日本人の誤解を覚醒する!

 1.1 J.A.シュンペーターによる「新結合」の概念提唱:「経済発展の理論」(1912)

 1.2 破壊的イノベーションと持続的イノベーション

 1.3 シュンペーターが意図した真のイノベーション「破壊的イノベーション」とは、
   顧客のニーズに基づくのではなく顧客にないニーズを創発することである!

 1.4 経営の神様P.F.ドラッカーの「イノベーションと企業家精神」とは?

 1.5 イノベーションを阻む見えない「ガラスの壁」をブレイク・スルーするには!?

 1.6 C.M.クリステンセンの「イノベーションのジレンマ ー 技術革新が巨大企業を滅ぼす時」
   …なぜ優良企業が、優れた経営が失敗するのか?

 1.7 個々の技術力に勝る日本企業が、何故事業で敗れるのか?…WhyやWhatを語らないHow to病の日本!

 1.8 「PDCAサイクル」の進化形、機動戦を勝ち抜くためのOODAループとは?


2.地球環境・資源・廃棄物問題と生分解性プラスチック
 2.1 地球環境・資源・廃棄物問題の抜本的解決のために
  1) 海洋プラスチック汚染の実態と生分解性プラスチックの役割
   ・海洋プラ濃度の経年変化(累積増加)曲線
   ・海洋汚染問題に対する短期的視点と長期的(グローバルな)視点
   ・海洋に流入する流木・草本類、マイクロチップは太古の昔より存在した!?
   ・マクドさんやスタバさん、紙製ストローもマイクロチップのかたまりです!?
   ・海洋自然生態系が許容し得る海水中の生分解速度とは…ポジティブ・コントロールはリグニン?
  2) 地球上に生命が誕生して38億年、地球はなぜ廃棄物で埋もれなかったのか?
  3) 自然界が有する真のリサイクルシステムである炭素循環へのリンク
 2.2 生分解性プラスチックの識別表示と環境負荷低減効果
  1) グリーンプラ・マーク…日本バイオプラスチック協会(JBPA)識別表示制度
  2) カーボン・フットプリント…LCAによる環境負荷の客観的・定量的評価
 2.3 持続的な資源循環型社会の建設のために
  1) 欧米グリーンガイド指針
   *欧米の環境先進諸国では、ポイ捨てを助長する生分解性表示は禁止!?
  2) 食品残渣や食品容器・包装材の再資源化(バイオリサイクル)
    …欧米や北海道富良野市近隣5市町村(10万人都市)における公的堆肥化施設
  3) プラスチックのCompostable(堆肥化可能)認証基準
    …EN13432 by OK Compost or Din Certco, ASTM D6400 by BPI
 2.4 世界の法規制と業界動向
  1) 世界の法規制動向
   ・欧州ではごみ袋やレジ袋は生分解性が主流、仏は2020年に使い捨てプラ器具の50%を
    生分解性に切り替える法規制を制定!
  2) 業界動向…世界ラーメンサミット「大阪宣言」:ラーメン容器を生分解性に!

3.生分解性プラスチックの分類、基本特性と高性能・高機能化技術
 3.1 代表的な生分解性プラスチックの分類と基本特性
  1) 硬質タイプ…ポリ乳酸(PLA):Tg/Tm=57℃/175℃
  2) 軟質タイプ
   ①ポリブチレンアジペート・テレフタレート(PBAT):Tg/Tm=-35℃/115℃
   ②ポリブチレンサクシネート系(PBS, PBSA)Tg/Tm=-47~-35℃/84~115℃
   ③その他…微生物ポリエステル(PHBV, PHBH)、PGA、デンプン系
 3.2 生分解性プラスチックの安全・衛生性
   ①カビ抵抗性試験(JIS Z-2911)
   ②PLAの抗菌・防カビ性(繊維製品新機能評価協議会・抗菌防臭加工新基準)
 3.3 生分解機構
  1) 酵素分解型…surface erosion(表面から溶かされていく)
  2) 非酵素分解型(加水分解型)…bulk degradation(全体的に壊されていく)
   ・PLAが生分解性と耐久性の両面展開が可能な理由を生分解機構から理解する!
 3.4 様々な環境下における生分解挙動
  1) 自然環境下…土壌中、海水中
  2) バイオリサイクル工程…堆肥化(好気性下)又はバイオガス化(嫌気性下)
   ・理想の分解速度は使用過程の自然環境下では遅く、再資源化工程では速いこと!
 3.5 基幹素材としてのポリ乳酸の高性能・高機能化材料設計技術
  1) 耐衝撃性…可塑剤又は耐衝撃性改良剤、PLA+PBAT又はPBSブレンド体
  2) 耐熱性(透明耐熱性)…分散型核剤(溶解型核剤)、結晶化促進剤
  3) 耐久性(耐湿熱性)…加水分解抑制剤
  4) 寸法安定性…結晶化促進剤

4.生分解性プラスチックの成形加工と新規製品・市場開拓最前線
 4.1 成形加工性…物理的意味と支配因子
  1) 溶融押出過程…溶融粘度、溶融張力⇔分子量、架橋密度依存性
  2) 冷却固化過程…Tg又は結晶化速度⇔冷却速度、変形速度依存性
   ①室温<Tgの場合…室温下への冷却だけでガラス化 ⇒ Tg
   ②Tg<室温の場合…室温下への冷却過程で結晶化が必須 ⇒ 結晶化速度
 4.2 成形加工分野
   ……繊維・不織布・モノフィラメント、フィルム・シート、真空成形、射出成形、
     発泡成形(押出発泡、ビーズ発泡)、ブロー成形

 4.3 目的・用途別の材料・製品設計指針…数多くの製品写真を紹介
  1) 自然環境下で短期間(1年前後)使用の農林・園芸資材
  2) 自然環境下で長期間(3~5年)使用の農林・園芸・土木・水産資材
  3) 使い捨て食器具、食品容器・包装材、生活雑貨・衛生資材
  4) 通常環境下で長期間(3~5年)使用の生活雑貨、産業資材
  5) 通常環境下で超長期間(5~10年)使用の耐久性構造材料

5.質疑応答