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生分解性プラスチックの基礎・最新動向と
食品容器・包装への応用展開

海洋プラスチック汚染の現状と国内外の法規制、関連業界動向
生分解プラを用いた食品容器・包装の設計指針を徹底解説

海洋プラ汚染の現状、国内外の関連規制動向、
生分解プラの研究開発動向・市場動向、食品容器・包装関連製品の設計指針…etc.

 海洋プラスチック汚染問題への関心の高まりを受け、欧州を中心とした各国政府は使い捨てプラスチック対策を強化。その結果、食品容器・包装材市場においては、にわかに生分解プラスチックを用いた製品開発競争が激化しつつあります。
 生分解性プラスチック、または食品容器・包装に携わる技術者は、現況をどう捉え、どう動くべきなのでしょうか?
 本セミナーでは、生分解性プラスチックの基礎研究から技術・事業開発までの実績を有する講師が、海洋プラスチック汚染の現状や使い捨てプラスチックに関する国内外の法規制動向、生分解性プラの研究開発動向、市場開発展望、設計指針等などを余すところなく解説。生分解性プラスチックや食品容器・包装に携わる技術者にとっての一つの指針を提示します。
日時 2019年12月5日(木)  10:00~17:00
会場 東京・品川区大井町 きゅりあん  5F 第2講習室
会場地図
講師 望月 政嗣 氏(元京都工芸繊維大学 特任教授)、工学博士(京都大学)、高分子学会フェロー
【専門】高分子材料科学、特にバイオプラスチックや生分解性高分子、高分子の高性能・高機能化材料設計と成形加工技術、繊維・不織布の構造と物性
【略歴】
1968年、京都大学工学部高分子化学科卒。京都大学工学部助手を経て、1969年にユニチカ(株)入社。同社中央研究所から大阪本社技術開発企画室を経て、2003年に理事、テラマック事業開発部長。この間山形大学と京都工芸繊維大学客員教授京都工芸繊維大学バイオベースマテリアル研究センター特任教授兼務。2007年にユニチカ(株)を定年退職した後、京都工芸繊維大学繊維科学センター特任教授(常勤)として5年間勤務。この間日経BP技術賞その他受賞、日本バイオプラスチック協会(JBPA)識別表示委員会委員長、(社)繊繊学会理事関西支部長等を歴任。著書に「バイオプラスチックの素材・技術最前線」「生分解性ポリマーのはなし」その他多数。
受講料(税込)
各種割引特典
49,500円 ( S&T会員受講料 47,020円 ) S&T会員登録について
定価:本体45,000円+税4,500円
会員:本体42,750円+税4,270円
S&T会員なら、2名同時申込みで1名分無料 1名分無料適用条件
2名で49,500円 (2名ともS&T会員登録必須​/1名あたり定価半額24,750円) 
備考資料・昼食付
※講義中の録音・撮影はご遠慮ください。
※講義中のパソコン使用はキーボードの打音などでご遠慮いただく場合がございます。
得られる知識◇ 海洋プラ汚染の実態と地球環境保全・資源循環型社会に向けての法規制動向
◇ 生分解性プラの分類、基本特性と高性能・高機能化材料設計・成形加工技術
◇ 生分解性プラの食器・食品容器・包装・濾材の製品設計と市場開発動向
対象生分解性プラスチックの基礎知識を習得したい初級者から最先端技術技術を駆使して製品開発に繋げたい上級者まで

セミナー趣旨

 石油由来の非生分解性プラスチックが本格的に使用され始めて60有余年、今やその廃棄物物処理能力は限界に達する一方、自然生態系を破壊する海洋プラスチック汚染等の深刻な事態を招来している。そうした中で、世界の環境先進地である欧州のフランス等では使い捨て食品容器・包装材は使用後は生ごみ等の有機性廃棄物と共に堆肥化(再資源化)する法制化の動きが活発化しつつある。また、昨年の世界ラーメンサミットにおいても、使い捨て食品容器の象徴的存在でもあるインスタントラーメン容器を生分解性容器に切り替えるとの歴史的な「大阪宣言」が発せられた。

 本講では先ず地球環境・資源・廃棄物問題における正しい理解を出発点とし、その上で生分解性プラの最新技術と市場開発の現状を展望しながら、具体的な食品容器・包装関連製品の設計指針を提示する。産学両分野で30年間、基礎研究から技術・事業開発までの実績を有する世界的第一人者による覚醒のセミナーである。

セミナー講演内容

1.地球環境・資源・廃棄物問題と生分解性プラスチック

 1.1 地球環境・資源・廃棄物問題の抜本的解決のために
  1) 海洋プラスチック汚染の実態と生分解性プラスチックの役割
   ・海洋プラ濃度の経年変化(累積増加)曲線
   ・海洋汚染問題に対する短期的視点と長期的(グローバルな)視点
   ・海洋に流入する流木・草本類、マイクロチップは太古の昔より存在した!?
   ・マクドさんやスタバさん、紙製ストローもマイクロチップのかたまりです!?
   ・海洋自然生態系が許容し得る海水中の生分解速度とは…ポジティブ・コントロールはリグニン!?
  2) 地球上に生命が誕生して38億年、地球はなぜ廃棄物で埋もれなかったのか?
  3) 自然界が有する真のリサイクルシステムである炭素循環へのリンク
    *目先のPETボトルのリサイクルより地球的規模での物質循環に目を向けよ!

 1.2 生分解性プラスチックの識別表示と環境負荷低減効果
  1)グリーンプラ・マーク…日本バイオプラスチック協会(JBPA)識別表示制度
  2) カーボン・フットプリント…LCAによる環境負荷の客観的・定量的評価

 1.3 持続的な資源循環型社会の建設のために
  1) 欧米グリーンガイド指針
    *欧米の環境先進諸国では、ポイ捨てを助長する生分解性表示は禁止!?
  2) 食品残渣や食品容器・包装材の再資源化(バイオリサイクル)
    …欧米や北海道富良野市近隣5市町村(10万人都市)における公的堆肥化施設
  3) プラスチックのCompostable(堆肥化可能)認証基準

 1.4 世界の法規制と業界動向
  1) 世界の法規制動向
   ・欧州ではごみ袋やレジ袋は生分解性が主流、仏は2020年に使い捨てプラ器具の50%を生分解性に切り替える法規制を制定!
  2) 業界動向…世界ラーメンサミット「大阪宣言」:ラーメン容器を生分解性に!

2.生分解性プラスチックの分類、基本特性と生分解機構

 2.1 代表的な生分解性プラスチックの分類と基本特性
  1) 硬質タイプ…ポリ乳酸(PLA):Tg/Tm≒58℃/175℃
   *生分解性が求められるバイオリサイクル材と長期耐久性構造材料の両面展開が可能な唯一のバイオプラスチック
  2) 軟質タイプ
   ① ポリブチレンアジペート・テレフタレート(PBAT):Tg/Tm≒-35℃/115℃
   ② ポリブチレンサクシネート(PBS, PBSA):Tg/Tm≒-47~-35℃/84~115℃
  3) その他…微生物ポリエステル(PHBV, PHBH)、PGA、デンプン系

 2.2 生分解機構
  1) 酵素分解型…surface erosion(表面から溶かされていく)
  2) 非酵素分解型(加水分解型)…bulk degradation(全体的に壊されていく)
    *PLAが使用後の分解開始スイッチオン機能内蔵と生分解性/耐久性の両面展開が可能な理由を生分解機構から理解する!

 2.3 様々な環境下における生分解挙動
  1) 自然環境下…土壌中、海水中
  2) 再資源化工程…堆肥化(好気性下)又はバイオガス化(嫌気性下)
     *理想の分解速度は使用過程の自然環境下では遅く(製品寿命・奉仕期間の確保)、再資源化工程では速いこと!

3.生分解性プラスチックの高性能・高機能化材料設計と成形加工技術

 3.1 基幹素材としての第二世代ポリ乳酸…高L組成PLA (high %L PLA), %D<0.5%,
  1) 結晶化挙動
   ① Melt Crystallization…押出成形、射出成形、ダイレクトブロー成形
   ② Cold Crystallization…真空成形、発泡成形、インジェクションブロー成形
  2) D体共重合比(%D)が結晶化速度に及ぼす影響

 3.2 高性能・高機能化材料設計技術
  1) 耐衝撃性…可塑剤又は耐衝撃性改良剤、PLA+PBAT又はPBSブレンド体
  2) 耐熱性…分散型核剤、結晶化促進剤
   *食品分野におけるreheating(再加熱)とcooking(調理)の違いを認識せよ!
  3) 透明耐熱性…溶解型核剤、結晶化促進剤
   *透明耐熱性(130℃)PPに匹敵する透明耐熱性PLAとは?
  4) 耐久性(耐湿熱性)…加水分解抑制剤
   *PLAの長期使用耐久性処方は生分解性を損なうのか、否か?
  5) 成形加工性…マルチ機能改質剤ほか

 3.3 高性能・高機能性PLA一次加工製品・成形用樹脂(繊維・不織布、フィルム、射出成形、発泡成形、押出成形、ブロー成形)
   …テラマック(Terramac)®/ユニチカ

   *PLAの熱的・機械的特性は既に汎用プラスチックと同等以上のレベルを達成!

 3.4 食品容器・包装関連製品の成形加工
  1) 押出成形
   ① 繊維・不織布・モノフィラメント…ティバッグフィルター、コーヒーフィルター、生ゴミ水切りネット
   ② フィルム…生ごみ袋、透明カバーフィルム、包装フィルム
   ③ 紙ラミ…飲用カップ、皿
   ④ 中空押し出し…ストロー
  2) 真空成形…青果物・食品容器、弁当容器、鶏卵パック、ブリスター
  3) 射出成形…リターナブル食器、ナイフ&フォーク、箸
  4) 発泡成形(押出発泡、ビーズ発泡)…インスタントラーメン容器、トレー、魚箱
  5) ブロー成形…ボトル

4.食品容器・包装関連製品の要求性能

 4.1 食品容器・包装材に求められる基本特性…耐水性、耐油性、食品衛生性、抗菌・防カビ性、生分解性

 4.2 食品衛生性基準

  1)日本…食品衛生法370号(一般規格、ポリ乳酸個別規格)、ポリ衛協PL
  2) 米国…Food Contact Nortification(FCN) No.178, Class B(100℃×30分)~H
  3) 欧州…EEC Directive 96/11/EEC

 4.3 製品設計と要求性能
  1) 長期間繰り返し使用可能なリターナブル食器、回転すし皿…射出成形
   ① 自動食器洗い機対応…高温洗浄、アルカリ性洗剤、高温乾燥滅菌
   ② 耐熱性…加熱料理盛り付け、熱湯注入、電子レンジ加熱
   ③ 耐久性…長期間(5~10年)使用耐久性
   ④ 耐衝撃性…落としても割れない
    *製品事業化成功事例…幼児用食器 “iiwan(いいわん)®”/豊栄工業
  2) ワンウエイユース食品容器…押出(発泡)成形+真空成形
   ① 耐熱性(透明耐熱性)…熱湯注入、電子レンジ加熱
   ② 耐衝撃性…打ち抜きができる、角が当たってもひび割れない
    *生分解性のインスタントラーメン容器を世界で最初に製品化する企業は?
  3) 卵パック、透明ブリスターパック
   ① 透明性…中が見える
   ② 耐衝撃性…打ち抜きができる、角が当たってもひび割れない
  4) 食品フィルター、生ゴミ水切りネット…繊維、不織布
   ① 耐熱性…熱湯注入
   ② 加工技術…製糸、製織、製袋
    *製品事業化成功事例…ティバッグフィルター“ソイロン(SOILON)®”/山中産業
  5) 食品包装・容器…フィルム、ボトル
   ① ガス透過性又はバリア性…水分、酸素、芳香成分
   ② ヒートシール性
    *生分解性ガスバリア素材は未開発、世界で最初に開発する企業は?
  6) 紙ラミ製品…押出ラミ
   ① 耐熱性…熱湯注入、電子レンジ加熱

5.質疑応答(名刺交換)