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基礎から良くわかる!
高分子溶液の相分離とゲル化のメカニズム

【高分子溶液の相転移・相分離】【溶解現象】【ゲルとゲル化点】【粘弾性】
【相分離や溶解性の予測技術】【複雑な相図の読解技術】【粘弾性データの読み取り方】
【溶液のゲル化方法】【分子構造から物性を予測する方法】 を5時間で学ぶ!

★ 思いがけなく起こる予測困難な、高分子溶液の相分離やゲル化。
★ 溶液の状態変化を調べることにより、高分子の溶解性やゲル化に関する分子論的に理解する!
日時 2019年5月23日(木)  10:30~16:30
会場 東京・品川区大井町 きゅりあん  5F 第3講習室
会場地図
講師 京都大学名誉教授 田中 文彦 氏
【略歴】

1971.6 東京大学 理学部 物理学科 卒業 
1976.3 東京大学 大学院理学系研究科 物理学専攻 博士課程 修了 
1976.4 東京大学 理学部 物理学教室 助手 
1978.10 - 1980.3 英国ケンブリッジ大学キャベンデッシュ研究所 博士研究員 
1981.4 東京農工大学 一般教育部 物理学教室 助教授
1990.4 - 1991.3 英国ケンブリッジ大学 キャベンデッシュ研究所 客員教授 
1995.4 東京農工大学 工学部 電子情報学科 教授
1997.4 - 2012.3 京都大学 大学院工学研究科 高分子化学専攻 教授
2012.4 - 現在 京都大学名誉教授
2012.4 - 2018.3 東海大学非常勤講師、神奈川県産業技術センターアドバイザー
2014.4 - 2016.3 東京農工大学客員教授
【専門】
 熱力学、統計力学、高分子物理学、レオロジーを基礎にした高分子溶液、ゲル、分子運動、生体高分子等の理論的研究。特に、水素結合と疎水性相互作用による高分子の会合ゲル化現象に注目し、高分子水溶液における協同水和、会合誘起相転移(ゾル-ゲル転移、相分離、コイル-ヘリックス転移等)の相図の導出や物理ゲルのレオロジー特性の研究を専門とする。
 高分子科学を統計力学の視点から体系化し、物性・反応全般について系統的に学べるような授業を学部・大学院で行ってきた。また、高分子のような複雑な系を一貫した思考法やモデルで理解できるようなテキスト教材を開発してきた。下記ホームページを参照。最近ブログ「ゲルの時間」を始めました。
【受賞】
高分子学会賞(科学) 2001
【講師WebSite】
http://www7b.biglobe.ne.jp/~ftanaka/ (ホームページ)
http://blog.livedoor.jp/geltime/ (ブログ)
受講料(税込)
各種割引特典
48,600円 ( S&T会員受講料 46,170円 ) S&T会員登録について
定価:本体45,000円+税3,600円
会員:本体42,750円+税3,420円
S&T会員なら、2名同時申込みで1名分無料 1名分無料適用条件
2名で48,600円 (2名ともS&T会員登録必須​/1名あたり定価半額24,300円)
備考※資料・昼食付
※講義中の録音・撮影はご遠慮ください。
※講義中のパソコン使用はキーボードの打音などでご遠慮いただく場合がございます。

セミナー趣旨

 高分子溶液の相分離やゲル化は、合成、輸送、保存、加工などの過程で思いがけなく起こる予測困難な現象である。本講では高分子間および高分子-溶媒間の相互作用に注目して溶液の状態変化を調べることにより、高分子の溶解性やゲル化に関する分子論的な理解を試みる。これをもとに、相分離・ゲル化を積極的に用いた感熱性、相溶性、流動性、粘弾性などの制御による高機能高分子の実用可能性を探索する。

セミナー講演内容

<得られる知識・技術>
<知識>…高分子溶液における相分離の特性、溶解現象の基本原理、架橋とゲル化に関する基礎知識、高分子溶液のゲル化メカニズム、ゲル化点の同定法、高分子溶液やゲルの粘弾性特性 
<技術>…相分離や溶解性の予測技術、複雑な相図の読解技術、粘弾性データの読み取り方、溶液をゲル化させる方法、ゲル化を避ける方法、高分子の一次分子構造から物性を予測する方法

<プログラム>
1.高分子溶液の特性

 1.1 分子量と高分子性
 1.2 高分子溶液の相転移概観(相分離、ゲル化、結晶化、ガラス転移)
 1.3 高分子量領域での極限則(上限則とスケーリング則)
 1.4 ランダムコイルとその拡がり(ガウス鎖、フローリ則、膨潤鎖と凝縮鎖)
 1.5 コイル-グロビュール転移、逆転移(高温グロビュール)と感熱性
 1.6 単一鎖(特に感熱高分子鎖)の張力-伸長曲線
 1.7 蒸気圧と浸透圧、第2ビリアル係数
 1.8 重なり濃度と準濃厚溶液(溶液のスケーリング理論)
 1.9 高分子溶液の粘弾性基礎(極限粘度数、剪断速度依存性、シニングとシックニング、複素弾性率)
 1.10 散乱実験(光、中性子)と構造因子

2.高分子溶液の相分離
 2.1 高分子の溶解性を決める因子
 2.2 相分離の基本タイプ(UCST、LCST、LOOP)
 2.3 相分離の分子論(フローリ理論、カイパラメータ、溶解度パラメータ(SP値)、VLBW現象論)
 2.4 高分子非水(有機溶媒)溶液のUCST
 2.5 高分子水溶液のLCST、圧力効果、イオン添加効果
 2.6 ランダム水和と協同水和(感熱性、鋭いC-G転移、平らな曇点曲線)
 2.7 多成分高分子溶液(三角相図の読み方)
 2.8 混合溶媒、選択吸着(共良溶媒、共貧溶媒、臨界溶媒)

3.高分子溶液のゲル化
 3.1 化学架橋と物理架橋、両者の共存と変換
 3.2 ゲル化に導く分子間架橋(水素結合、疎水凝集、配位結合、微結晶化、ガラス化、クーロン力)
 3.3 ゲル化点と架橋構造(架橋多重度、架橋長、有効鎖、ネットワーク構造)
 3.4 相分離とゲル化の干渉(3つの基本タイプ)
 3.5 低温ゲル化と高温ゲル化
 3.6 水素結合性高分子のゲル化(水素結合超分子、バイオポリマーゲル)
 3.7 疎水化水溶性高分子のゲル化(会合高分子、テレケリックポリマー) 
 3.8 添加塩効果、溶媒混合効果、圧力効果
 3.9 イオン架橋ゲル化(配位数効果)
 3.10 物理ゲルの粘弾性(鎖の組み替え、シックニング、応力極大、流動硬化、流動破壊)
 3.11 剪断による高分子溶液のゲル化

※時間制限により一部割愛や項目順不同となることがございます。

  □質疑応答・名刺交換□