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高分子を上手にコントロール!
“架橋”の基礎と物性制御のコツ

高性能・高機能な高分子材料材料の開発に役立つ、架橋による高分子の物性制御の知識と技術を習得!
「架橋を導入したい」「ゲルを含む相図が読解できるようになりたい」「粘弾性データを読み取れるようになりたい」「分子構造からゲル物性を予測したい」という方にもお勧めです。
このセミナーの受付は終了致しました。
日時 2018年11月28日(水)  10:30~16:30
会場 東京・品川区大井町 きゅりあん  5F 第3講習室
会場地図
受講料(税込)
各種割引特典
48,600円 ( S&T会員受講料 46,170円 ) S&T会員登録について
定価:本体45,000円+税3,600円
会員:本体42,750円+税3,420円
S&T会員なら、2名同時申込みで1名分無料 1名分無料適用条件
2名で48,600円 (2名ともS&T会員登録必須​/1名あたり定価半額の24,300円)
備考※資料・昼食付
※講義中の録音・撮影はご遠慮ください。
※講義中のパソコン使用はキーボードの打音などでご遠慮いただく場合がございます。
得られる知識【得られる知識】 架橋の種類と特性、ゲルとゲル化点に関する基礎知識、ゲル化点の同定法、
架橋の構造と運動、ゲルの弾性と粘弾性、ゲルの強度解析

【得られる技術】 架橋の導入法、ゲルを含む相図の読解技術、架橋構造の解析法、
粘弾性データの読み取り方、分子構造からゲル物性を予測する方法

セミナー講師

京都大学 名誉教授 理学博士 田中 文彦 氏
【専門】高分子物理学,レオロジー,熱力学,統計力学
【略歴】
1995.4 – 1997.3 東京農工大学 工学部 電子情報学科 教授 
1997.4 - 2012.3  京都大学 大学院工学研究科 高分子化学専攻 教授 
2012.4 - 現在  京都大学名誉教授
2012.4 – 2018.3 東海大学非常勤講師(理学部,工学部)、
2012.4 – 2017.3 神奈川県産業技術センター客員研究員
2014.4 – 2016.3 東京農工大学客員教授

【受賞】
高分子学会賞(科学) 2001

 熱力学、統計力学、高分子物理学、レオロジーを基礎にした高分子溶液、ゲル、分子運動、相転移等の理論的研究を行っている。特に、水素結合と疎水性相互作用による高分子の会合ゲル化現象に注目し、高分子水溶液における協同水和、会合誘起相転移(ゾル-ゲル転移、LCST相分離、コイル-ヘリックス転移等)の相図の導出,および物理ゲルに関するレオロジー特性を主たる研究テーマにしている。
 高分子科学を統計力学の視点から体系化し、物性・反応全般について系統的に学べるような授業を学部・大学院で行ってきた。また、高分子のような複雑な系を一貫した思考法やモデルで理解できるようなテキスト教材を開発してきた。下記ホームページを参照。
【WebSite】 http://www7b.biglobe.ne.jp/~ftanaka/

セミナー趣旨

 架橋は高性能・高機能高分子材料を得る方法の一つである.架橋により高分子は他材料にみられない特徴的な物性や運動性を示すようになる.本講座では,未架橋高分子系,特に高分子溶液の特性に簡単に触れ,多くの架橋の具体例を提示しながら架橋による液体から固体への変化をゾル-ゲル転移の視点から捉える.構造上の変化(ネットワーク形成)と運動性の変化(粘弾性)の相関に注目しながら,高分子の物性制御を行う上で基本的な概念を説明する.それらの知見をもとに,複雑な架橋構造を有する水素結合ゲル,水溶性ゲル,感熱ゲル,バイオポリマーゲル,剪断で誘起されるゲル,ゲルの強度評価などの具体的な例を紹介し,新規ゲル材料開発のヒントとする.

セミナー講演内容

[キーワード] 
架橋,ゲル,ゾル-ゲル転移,相分離,水和,感熱ゲル,弾性,粘性,粘弾性,架橋の組み替え,剪断流下のゲル,ゲルの破壊エネルギー 


1.架橋の導入・形成(Part1)
 1.1 化学架橋と物理架橋(両者の共存と変換)
 1.2 多官能性低分子の分岐反応と高分子の架橋反応(ゲル化に導く化学反応)
 1.3 架橋強度と架橋寿命
 1.4 架橋体の分子量分布と平均分子量(理論解析)
 1.5 物理架橋の導入法
 1.6 水素結合による架橋(低分子ゲル化剤,水素結合性微結晶)
 1.7 疎水凝集による架橋(会合性ゲル)
 1.8 バイオポリマーの架橋(ヘリックス架橋,イオン補足架橋,変性誘起架橋)
 1.9 高分子の立体規則性と架橋形成能
 1.10 剪断による架橋の導入

2.架橋の構造解析(Part2)
 2.1 架橋体(ゲル)の大域構造と局所構造(構造パラメータ)
 2.2 架橋数(架橋密度)とゲル化点
 2.3 架橋多重度と架橋長(架橋の特性パラメータ)
 2.4 ゲル化点測定による架橋構造の推定(拡張エルドリッジ-フェリー法)
 2.5 架橋の弾性的有効性(スカンラン-ケースの判定条件)
 2.6 架橋を阻害する因子(水和,高分子のコンホメーション変化)
 2.7 分子内架橋から分子間架橋へ
 2.8 相分離とゲル化を含む相図,架橋構造との関係

3.架橋の運動解析(Part3)
 3.1 外力による架橋点の移動とゆらぎ(アフィン変形ゴム弾性と非アフィン性)
 3.2 架橋のすべりとゲルの張力(張力プラトーの出現)
 3.3 高分子の粘弾性に関する基礎概念(複素弾性率,非線型粘度,剪断開始流)
 3.4 架橋の組み替えによる粘弾性の発現(形状記憶,分子認識)
 3.5 架橋の生成・消滅によるレオロジー特性(シニングとシックニング,自己修復)
 3.6 架橋体の時間依存性流動(流動硬化,応力極大,流動破壊)
 3.7 剪断流印加によるゲル化とゲルの破壊(臨界ゲル化剪断速度)
 3.8 架橋体の破断強度,その速度依存性
 
  □質疑応答・名刺交換□
 

入門部分1に重点をおき,架橋の導入法,架橋密度,架橋体の構造,運動性と,これらの測定原理について時間を十分に配分し,基礎概念の復習を含めて初歩から説明する.一部の進んだ内容(研究最前線のテーマ)については受講者の要望を考慮し選択や割愛をする場合がある.
なお、本セミナーは新規架橋剤の開発を主たる目的とするものではありません。