京都大学においては、薬物の消化管吸収に及ぼす免疫の影響について研究を行い、学位を取得した。その後、米国南カリフォルニア大学において、ペプチド性医薬品の経粘膜吸収について研究を手掛け、京都薬科大学に異動後もこのテーマを他の難吸収性薬物などに適用し、さらに種々の新しい吸収改善方法を構築して研究を展開している。現在までの研究成果は、原著論文258報、著書(共同執筆を含む) 97 冊、総説、解説 62編、学会発表1046報などにまとめられる。 また1990年には、Journal of Controlled Release の Outstanding paper award を、1996 年には「生理活性ペプチドの経粘膜吸収の改善に関する研究」という研究内容で日本薬物動態学会奨励賞を、2001 年には「生理活性ペプチドの経粘膜吸収改善に関する生物薬剤学的研究」という研究内容で日本薬学会学術振興賞を、また2006年には「タンパク性医薬品をはじめとする難吸収性薬物の消化管・経粘膜吸収の改善」という研究内容で日本DDS学会永井賞を受賞した。さらに、2016年には大学発ベンチャー表彰において、新エネルギー・産業技術総合開発機構理事長賞を、また2017年には日本薬剤学会のタケル・アヤ・ヒグチ記念賞を受賞した。 現在、日本薬剤学会、日本DDS学会及び日本薬物動態学会の代議員を務め、また現在までにBiol. Pharm. Bull., Drug Metab. & Pharmacokinet., Int. J. Pharm.,などの編集委員を務めた経験を有し、また現在 J. Pharm.Sci のEditorial Advisary Boardを務めている。その他に日本学術振興会科学研究費の審査委員を複数年、また昨年は日本薬学会の学会賞などの選考委員を務めている。