「私は本書を読んで、導電性組成物は如何に誤った内容が多いかに驚き、そして正しい方向への道しるべとなりました!」
タイガースポリマー(株) 岡山工場 技術グループ 山﨑 敏生 様 より

 私は、日本ゴム協会が主催する第63回(2008)のゴム技術進歩賞を受賞させていただきました。賞の課題は『体積抵抗率が最小となるエラストマーの設計』であり、導電性配合の技術力が問われる内容でした。付帯条件として「カーボンブラック、グラファイト構造を持つ材料を使用しないこと」と「ゴムの伸びが200%以上」が課されていました。

 この課題の挑戦においては、多くの技術的な難題が降りかかってきました。その時、唯一参考になったのが、本書の著者である渡辺氏が技術系月刊誌や専門書に発表されていた導電性組成物に関する文献類でした。

 今回、その渡辺氏が導電性組成物の設計に関する講演録を刊行すると知り、さっそく読ませていただきました。書籍の内容は、導電設計における化学知識の基礎に始まり、測定方法の歴史、導電設計の基本的概念について幅広く扱われています。日本という国に特徴的な湿度の影響など、私たち工業に携わる者が本当に知りたい外的要因の影響についても、経験に裏打ちされたポイントについてデータを踏まえ解説されております。

 一読しての感想は、私達が基本と考えていた導電性の知識について如何に誤った内容が多いかということでした。設計の基本概念についても、ポリマー、キャリア選択におけるポイントが分かりやすく説明されていました。観念的で適用範囲の極めて狭い文献や資料の多いこの分野において、分かりやすい実践的な資料として、必ず参考になると確信いたします。導電設計に携わられる方に限らず、高分子組成物設計に関係する方の全てに是非、一読をお薦め致します。

<タイガースポリマー(株)の主な特徴>
シート、ホース、成形品(自動車部品、押出し品)3つの製造技術を核にお客様のニーズに沿った製品を提供する。


 
書籍「目からウロコの導電性組成物 設計指南~組成物設計講演録シリーズ 【導電性設計】~」
⇒ http://www.science-t.com/st/cont/id/20611